楽天松井裕樹投手(27)が来年3月のWBCを戦う侍ジャパンの最終候補に入っていることが25日、分かった。11月に提出された予備登録50人からの絞り込み作業が続いているが、松井裕は左のリリーフの筆頭に挙がっている。球数制限のあるWBCは継投がカギ。通算197セーブ、今季は32セーブでパ・リーグセーブ王左腕の存在は貴重だ。

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松井裕が侍ジャパンの左のリリーフ筆頭候補に浮上した。栗山監督の代表初陣となった11月の強化試合には呼ばれなかったが、代表歴は長い。プロ2年目の15年春に初招集され、同年秋のプレミア12、17年WBCと主要大会でも侍のユニホームに袖を通した。17年WBCは3試合、2回2/3、無安打、1四球、防御率0・00。三振は5つを重ね、国際大会でも持ち味を発揮した。本人も2大会連続出場へ「当然、選ばれたい。自分の中では階段を上ってきたつもり」と意欲を見せる。3月9日開幕を見据え、早めに仕上げるつもりだ。

左のリリーフは、今回の代表選考のテーマになっている。先発陣は、かなり充実してきた。エンゼルス大谷、パドレス・ダルビッシュと出場意思を表明したメジャーリーガー2人に加え、国内組からはオリックス山本、ロッテ佐々木朗、DeNA今永のノーヒッタートリオがいる。大谷はリリーフ起用の選択肢もあるが、継投がカギの大会だけに、次はリリーフ陣の整備がポイントとなる。

11月の強化試合では、オリックス山崎颯、阪神湯浅、巨人大勢ら右のリリーフはアピールに成功したが、左は手薄感が否めなかった。オリックス宮城、ヤクルト高橋と先発が本職の両左腕が第2先発で好投。本大会では、その2人をリリーフ待機に回す手も考えられるが、勝敗を分ける終盤や走者を抱えたピンチを抑える専門職は、やはり必要となる。左の守護神としてチームに君臨する松井裕は貴重だ。

野手はヤクルト村上、DeNA牧、ソフトバンク甲斐、西武源田らが内定。日系メジャー外野手のカージナルス・ヌートバーも有力候補だ。当初は年内に主力数人を先行発表の予定だった。だが、熟考が続いており、先行発表は年明け1月上旬、さらに全員がそろう最終発表は1月末の見通し。世界一奪回へ、最強の布陣を選ぶ。

○…阪神湯浅もWBCの侍メンバーに選出されることが明らかになった。4年目の今季は「8回の男」として大ブレーク。最速150キロ超えの直球と角度のあるフォークを武器に45ホールドポイントを挙げ、独立リーグ出身の投手で初のタイトルとなる最優秀中継ぎ賞を獲得した。湯浅とともに11月に実施された侍ジャパンの強化試合に出場していた巨人戸郷も内定。巨人大勢も有力候補に挙がる。

◆WBCの継投 23年大会のルールは未定だが、前回の17年大会は1次ラウンド65球、2次ラウンド80球、準決勝と決勝は95球までの球数制限があった。1次ラウンドの場合、先発が4、5回、第2先発が2回を投げ、終盤2、3回をリリーフ陣で賄うイメージが立つ。現状、右のリリーフはオリックス山崎颯、日本ハム伊藤、阪神湯浅、巨人大勢、戸郷の強化試合出場組に加え、オリックス宇田川、DeNA山崎、広島栗林らが候補となりそうだ。