阪神岡田彰布監督(65)が27日、来春のWBC出場が内定した湯浅京己投手(23)の代役守護神として、助っ人右腕2人に任せることを明言した。今季も一時9回を担ったカイル・ケラー投手(29)と剛球右腕の新外国人ジェレミー・ビーズリー投手(27=パイレーツ)に、湯浅がWBC球からNPB球の感覚を取り戻すための開幕から抑え復帰までの期間のクローザーを託す。

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守護神湯浅が早々とWBC出場に内定しても、岡田監督はあわてることはなかった。「別に外国人でええんちゃう? 一番、外しやすいやん、外国人の方が。2人おるんやから」と、代役にK・ケラーとビーズリーを指名した。

セットアッパーとして考えている岩崎や浜地は配置転換せずそのままにして、助っ人を当てはめる。「(K・)ケラーはな、だいたいもう分かってる」と、2年目右腕は計算しやすい。今季はコロナ禍で調整不足のまま開幕から抑えを任され大炎上したが、その後の巻き返してきた姿も見てきた。現状では来年2月1日のキャンプインから助っ人たちもそろうだけに、来季はしっかり調整して開幕に臨める。

ビーズリーに関しては「まあ、キャンプで見たら分かるやん。新外国人に関してはあまり大きいことは言われへんわ、はっきり言うて」と慎重だった。だが、新外国人候補の中で「変化球もよかったな。ボール自体は一番よかった」とほれ込んでいる。191センチの長身から150キロ台中盤の直球で、グイグイ押し込む。スプリットにもキレがあり、まさにクローザータイプだ。

侍ジャパンの合宿は2月中旬から始まる。3月21日の決勝まで進めば1カ月WBC球でプレーすることとなる。湯浅がNPB球の感覚を取り戻すまでの開幕からの数週間の我慢となる。オープン戦で2人にクローザーのメドが立てば、復帰後も湯浅が過酷な連投を回避することができる。悲願の「アレ(=優勝)」を狙うためにも、疲労を少なくポストシーズンに突入することは大きい。

岡田監督は「外国人があかんかったら全然あかんみたいな、そういうチームじゃないやん。今はな」と、助っ人が万が一ハマらずとも、伸び盛りな強力投手陣なら、一時の湯浅の穴などなんとでもなると自信を見せた。【石橋隆雄】

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