中日大野雄大投手(34)が5日、毎年恒例の地元京都・大文字山登山で自主トレを公開した。登山道では京都外大西の後輩でヤクルトにドラフト2位入団した西村瑠伊斗(るいと)内野手(18)と対面。「いいバッター。1年目から出てくる可能性はある」と直系の後輩とエール交換した。

ダッシュを交えながら1時間弱で登り切った頂上で、ライバルチームの新人と汗を拭った。ベテラン左腕は高校時代からの慣例を続け、毎年恒例の単独自主トレ。一方のヤクルト西村は在学生として高校のチームメートとともに登っていた。先輩は「それ(開幕1軍)を狙って本人もやる。うれしいし、楽しい。1軍のレベルは高く大変だが、彼ならチャンスはある。やってくれると思う」と後輩の活躍を待ちわびている。

とはいえ、21年沢村賞左腕の課題は左打者対策でもある。昨季は右打者への対戦打率は打率1割7分6厘だったが、左には2割7分5厘と苦しんだ。西村は高校通算54本を誇る左のスラッガー。「対戦したら打たれないようにしたい」。年齢が一回り以上離れた後輩への警戒心ものぞかせた。

西村はヤクルトでは内野手登録される。捕手から内野手に配置転換され、昨季3冠王に輝いた村上方式だ。将来の主軸候補は「大野さんは沢村賞も取られたトップレベルの投手。遠い存在だったけど、ちょっと近づけたかな。何とか食らいついて打てるようにしたい」と気合十分。1年前の正月は自主トレ姿の背中を見るだけだった大先輩とのエール交換というお年玉に、目を輝かせた。【伊東大介】

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