日本ハムがFA移籍した近藤健介外野手(29)の人的補償として、ソフトバンクから田中正義投手(28)を獲得したと11日、発表した。9日に千葉・鎌ケ谷の球団施設で新庄剛志監督(50)ら球団幹部が最終協議し、獲得の方針を決定していた。

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日本ハムが人的補償として“宝の山”から選んだのは、16年ドラフトで逃した未完の大器だった。田中正の獲得にあたり、稲葉GMは「アマチュア時代からずっと見ていた選手であり、非常にポテンシャルが高い。ストレートの強さに魅力を感じます」と評価。長年主軸を張った近藤の代わりとなれば超即戦力に手を出したいところだが、投打限らず実績のある選手を選べる状況で、あえて、プロ未勝利ながら創価大時代に最速156キロを誇った潜在能力に懸けた。

フロントと現場責任者の新庄監督の意見は、すんなり一致したようだ。ビデオテープがすり切れるほど大学時代の投球映像を確認した同監督は、その快速球に見ほれたという。昨季は開幕直前に痛めた右肩の状態が懸念されたが、5試合に救援で登板し防御率0・00と、出場した試合では確実に結果を残している。

起用法は現場に一任。春季キャンプで状態をチェックした上で、先発かリリーフか、適性を見極める方針だ。球界を代表する投手になれると判断した右腕が、持てる才能を発揮すれば、新球場の目玉になるのは間違いない。【中島宙恵】

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