北の大地でプロ初勝利をつかむ。FA移籍した近藤の人的補償でソフトバンクから日本ハムに加入した田中正義投手(28)が15日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で入団会見に臨んだ。

16年ドラフト1位でソフトバンク入りも、ケガに苦しみ6年間での白星はゼロ。新天地での目標は「先発で投げさせていただきたい。4月中に初勝利を」と掲げた。背番号は26に決定。3月開業の新球場で、投手として再起の1歩を踏み出す。

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強い目力が、決意を物語っていた。11日の正式発表から、わずか4日。田中正は「心機一転、ファイターズの力となれるように一生懸命頑張っていきます」。同席した稲葉GMに「ビッグボスは『どこで投げたい?』と聞くと思うんですけど。聞かれたら」と問われると「先発をやらせていただきたい」と志願した。

16年ドラフトでは、日本ハム含む5球団競合の末にソフトバンク入り。右肩や右肘の故障で6年間、未勝利と、思うような成績を残せなかった。そんな中、7年前に1位指名を受けた球団からの再ラブコール。「6年間苦しんだ自分を高く評価していただいて光栄。うれしく思っています。4月中に初勝利を挙げたい」と強い口調で話した。

年間通じてコンスタントに活躍できたことがなく「ケガしてないシーズンの方が少ない。そこをどう乗り越えるかが僕の課題。一番は野球を楽しんでやるのが僕にとってすごく重要なこと。今年はそれを意識したい」。自主トレは都内でほぼ1人で体を動かし「すごく良い感じ。今年は自信がある。良いシーズンもいっぱいあったけど、それを1軍で継続することができなかった。今年はそれをできるように」と思い描いた。

稲葉GMは対面した印象について「好青年。顔つきも良い。アマチュア時代から評価が高く、もっともっと伸びしろがあると思っている」と期待。沖縄キャンプ初日の2月1日に紅白戦が予定されているが「初日には投げないが、1軍キャンプにしようかなと考えている」と方針を説明した。

北海道の印象について田中正は「自然が好きなのでうれしい。海鮮も好き。福岡もおいしいけど。九州でも1人で山にドライブに行くのが好きだった。そこでゆっくり歩いたり本を読んだりみたいな。僕には合っているのかな」。森の中に生まれる新球場エスコンフィールド北海道で、くすぶっていた才能を、一気に花開かせる。【永野高輔】

◆一問一答

-日本ハムのイメージは

田中正 僕自身が1軍でたくさん投げてないので、バッターに対するイメージっていうのはそんなに強く持ってないんですけど、新庄監督の存在もあって、読めないチームだな、と。

-どんな1年にしたい

田中正 今年こそはという強い気持ち。良い1年にしたい。

-日本ハムの選手で連絡を入れた選手は

田中正 同級生に池田がいるので、電話して、こういう流れになっていくんじゃない、みたいなアドバイスをもらったので、今後もいろいろ聞いていきたい。

-ソフトバンク藤本監督は「寂しいけど、やっつける」と話していたが

田中正 ホークスには感謝しかないですけど、ペイペイドームで投げるときにはしっかり抑えたい。

-自主トレではどこを重点的に

田中正 体づくりとコントロールと、あとはしっかり変化球を。決め球になるようなボール、というイメージでやってます。

-田中の名字は多い。北海道ではどう呼んでもらいたい

田中正 希望はないので呼びやすいように。選手間や現場では下の名前で呼んでもらうことが多い。

-ホークスの方から激励は

田中正 温かいメッセージをたくさんいただいた。『自分を信じて頑張れ』のようなメッセージをいただいて、本当にその通り。自分を信じて、今年は突き進んでいきたい。

◆田中正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日、横浜市生まれ。創価で1年秋に外野手に転向し、創価大で投手に再転向。3年時に大学日本代表。ユニバーシアード大会で初の金メダルに貢献。16年ドラフトで5球団の1位指名を受け、ソフトバンク入団。2年目の18年4月1日オリックス戦でプロ初登板。通算34試合、0勝1敗、防御率4・25。今季推定年俸1200万円。188センチ、93キロ。右投げ右打ち。

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