12球団監督会議が18日、都内のホテルで開かれ、阪神岡田彰布監督(65)が球界最年長指揮官の貫禄を見せた。榊原定征コミッショナー(79)が引き分けの廃止やセ・リーグのDH制導入の2点を問題提起。座長を務めた岡田監督は「引き分けも戦術のひとつ」などの持論を展開し、否定の姿勢を明確にした。

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終了予定を30分以上もオーバーした。岡田監督が座長を務めた監督会議は白熱した。コミッショナーから「プロ野球の魅力向上」について問題提起があった。岡田監督は「一番インパクトがあったのは、決着をつけるか」と、引き分けについての議論に言及した。

<1>引き分けでファンは納得するのか

昨季から3年ぶりに延長12回制に戻った。岡田監督によると「お客さんは決着がつくのが見たい。決着をつけようという意見が出た」と、やはり白黒つけたい監督が多かった。だが、球界最年長指揮官は「引き分けも戦術のうち」と、ドロー容認派だった。

「だって勝率だもん。勝敗ちゃうから。勝率の勝負やからね」。リーグ戦は勝率で争う。負けそうな試合を引き分けに持ち込むのも、大事な戦術のひとつだ。現役時代は15回制のシーズンもあった。「試合短縮言うてんのにね。メジャーみたいにみんな車で勝手に帰るんやったらいいけど、日本の場合はな。そういう意味では決着っていうのは、ルール的には難しいんじゃないかなと、オレは思うてるから」。公共交通機関で来場するファンの多い日本では、無制限の延長は難しいと考える。

ほかの監督からはタイブレーク案も出たが「オレは反対って言った。アマチュアにならう必要はないやろ」と反対。「プロとして何かもっとすごいことを考えた方がいいんじゃない」と、プロならではの斬新な決着のつけ方を求めた。

<2>セ・リーグもDH制を導入すべきか

岡田監督は「オレはずっとDH反対。監督が楽過ぎる。あんまり野球に入っていく気ないね」と、きっぱり否定した。「打順をシャッフルしたりね。ピッチャーが回ってくるとか回ってこないとか、そういう醍醐味(だいごみ)がちょっとないよな。オレはちょっとつまらんように感じたな。DHいうのはね、選手の時もそうだし、監督の時もそう思ったね」。用兵を駆使するセ・リーグ野球の魅力をなくすべきではないと考える。オリックスでは選手、監督でパ・リーグ野球を経験。考えは変わらない。

3年ぶりに一堂に会した監督会議。キレ味鋭い岡田節で存在感を示した。【石橋隆雄】

○…オリックスの球団社長を務めた西名弘明氏が亡くなっていたことを受け、岡田監督は「ドシッと構えた、重みのある人よ」と悼んだ。09年にオリックスの監督に就任した時も球団社長だった。今月6日に大阪市内のホテルで会ったばかり。その時の様子は「元気や。奥さんと2人で会った」というだけに、この日訃報を知った指揮官は「びっくりしたわ、本当にびっくり」と驚きを隠せなかった。

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