右翼は19番勝負で決める。阪神は19日、兵庫・西宮市内でスタッフ会議を開き1、2軍メンバー振り分けを発表した。岡田彰布監督(65)は、未定の右翼候補に高卒2年目の前川右京外野手(19)を1軍に初抜てき。同じく1軍発進の井上広大外野手(21)、右足の肉離れで2軍発進のドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)の3人がバトルの中心だ。2月11、12日の紅白戦から3月19日のオープン戦のヤクルト戦(神宮)までの実戦19試合で、開幕スタメンを見定める。

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前川と井上のキャンプ1軍スタートが決まった。岡田監督は「抜てきじゃなしに、普通に入れただけ」と開幕右翼の候補と明かした。ともに昨秋の高知・安芸キャンプで猛アピールした若き左右の大砲候補。「これはいけそうっていうね、そういう感じを持っていたんで」と期待を明かした。

捕手梅野、一塁大山、三塁佐藤輝、中堅近本でレギュラー固定する方針の一方、ぽっかり空く右翼は、小幡と木浪が争う遊撃に次ぐ激戦区だ。ルーキー森下は右足肉離れの回復が遅れて2軍発進になったが、岡田監督は「無理してもしょうがない。2月半ばくらいに合流できれば」と、本命は変えていない。この日、新人合同自主トレで別メニュー調整した森下も「打撃の部分は問題ない。走るのは半分くらい。ケガを治すことを最優先して、徐々に上げていきたい」と、早期の1軍合流に手応え十分だ。

森下の居ぬ間にと鼻息が荒いのは、春季キャンプ初の1軍切符をつかんだ前川だ。「打に関しては負けない気持ちで自信を持って振りたい。常に(定位置は)狙っている」。2軍で4番を託され、英才教育を受け続けた高卒4年目の井上も含めた森下、前川の3人がバトルの中心。ここに1軍スタートの島田や原口、高山、板山がひしめく。さらに指揮官は宜野座村に近いうるま市でキャンプを張る2軍視察について「そら行くかもしれない。隠れていく」と抜き打ち訪問も示唆。小野寺ら2軍組が浮上する可能性も残している。

サバイバルは岡田阪神の初実戦となる11、12日の1、2軍合同紅白戦で始まる。岡田監督はレギュラーを固める時期を「3月中ごろで十分じゃない」と説明。3月19日の敵地ヤクルト戦まで、紅白戦を含む実戦19番勝負で見極める方針だ。

「1カ月あったら見極めができるやんか。こっちが決めんでも、勝手に決まってるよ」。結果ではっきりと色分けされると断言した。「伸びしろがあってね。まだまだ完成されたチームじゃないんでね」。3月31日の開幕DeNA戦(京セラドーム大阪)の右翼は森下か、前川か、井上か。それともダークホースがまくるのか。熱いバトルから目が離せない。【石橋隆雄】

○…今岡1軍打撃コーチは“初仕事”になった。17日の就任会見を経てスタッフ会議に参加。2月キャンプに向けて「逆に僕が、(選手に)バッティングフォームなんかを聞く方が多い。選手はいろんな意味でアピールが始まっていますよね。それを肌で感じて、というところでしょう」と、選手の能力を引き出す今岡流コーチングをスタートさせる。

○…和田2軍監督が積極的な1、2軍入れ替えによる活性化を期待した。「(2軍も)より見てもらえる機会も多くなると思う。しっかりアピールできるようにやらせていきたい」。今年から2軍が高知・安芸を離れて沖縄・うるま市でキャンプを張ることで、入れ替えが容易になった。2月11、12日には1、2軍合同の紅白戦を開催。「最低でも1クールに1回はそういう話が出てくると思う。紅白戦で見てもらって、そこらへんで最初の入れ替えがあるかな」と見通しを明かした。