誠也打法だ。沖縄で自主トレをしていた広島末包昇大外野手(26)が23日、合流したマツダスタジアムでの合同自主トレで新打法を披露した。軸足である右股関節にしっかりと力をため、腕のテークバックはほとんど取らずに振り出す-。

沖縄で16日間をともに過ごしたカブス鈴木をほうふつとさせる。「テーマは“ギュウギュウのパンパン”です。今年のテーマは何かと聞かれたら“ギュウギュウのパンパンって言え”と言われました」。練習後の取材中、何度も「ギュウギュウのパンパン」と繰り返した。

鈴木から命じられたテーマは、意識付けの意味合いもある。右股関節に力を「ギュウギュウ」にため込み、尻を「パンパン」に張らせる。秋季キャンプでは腕のテークバックが2段階で引いて、背中に入る悪癖を指摘されてきた。「下半身がハマっていないから上で何とかしようとする癖が出ちゃうので。下半身さえはまれば、上が自然とついてくる」。鈴木の助言から下半身に意識を置くことで、上半身の悪癖は自然と解消された。

新打法の完成度は「まだ50%くらい」。キャンプに入っても、「ギュウギュウのパンパン」を意識していく。下半身の力を目いっぱい使うことでテークバックを取らなくても、飛距離が出る手応えを得た。「あまり力いっぱい振らなくても、しっかりハマれば飛ぶようになったので。どれだけギュウギュウのパンパンにできるか。ギュウギュウのパンパンになったら、2桁はいけますね。下半身の使い方ひとつでだいぶ変わってくると思います」。鈴木からは食事面でもサポートを受け、秋季キャンプでは4キロ減だった体重が合同自主トレ期間に4キロ増。111キロとなった。肉体的変化も、新打法完成へ後押しする。【前原淳】

末包とともにカブス鈴木と自主トレを行った広島堂林も、「ギュウギュウのパンパン」を今年のテーマに掲げた。3日間、護摩行で抜けたものの、5日から20日までの沖縄自主トレに参加。「また誠也のすごさを近くで見ることができましたし、すごくいい刺激になった自主トレでした」。鈴木の取り組みを参考にしながら、自身も好不調の波をなくすため、よりシンプルな打撃フォームを追求。「どうしても上半身が強くなるので、(下半身主導の)ギュウギュウのパンパンです」。新打法習得を目指していく。

【関連記事】広島ニュース一覧