オリックス3年目の山下舜平大(しゅんぺいた)投手(20)が4日、宮崎キャンプの初ブルペンで度肝を抜いた。20年のドラ1右腕は1軍戦未登板で昨年11月末に両足首の手術を受けたばかり。本格的なブルペン再開で、いきなり最速154キロをたたき出した。各球団担当記者もイチオシのブレーク候補を挙げた。

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弱冠20歳の山下舜平大がキャンプの初ブルペンで度肝を抜いた。190センチ、98キロ。発達した上半身と長い手足はエンゼルス大谷のよう。大谷にも似たテイクバックの小さい「ショートアーム」から腕を振り、快速球をミットに突き刺した。

昨年11月末に両足首の手術を受けたばかり。本格的なブルペン再開で、いきなり最速154キロをたたき出したから驚きだ。中嶋監督ら集まってきた球団関係者は息をのむように圧倒的な50球を見つめた。1軍経験すらない20歳が、独特の空間を作り出していた。

「飛ばしすぎな部分もあったけど、思ったよりいい感じ。手術後そんなに投げていないので、今出せる7~8割の力。(154キロも)出ると思っていなかった。びっくりです」。投球再開は1月中旬。リハビリ中のトレーニングでまた1段階、出力が上がっていた。

昨年は成長痛のため2軍でも8試合登板。だがCSファイナルの前に突然1軍に呼ばれ、CSで1試合、日本シリーズでも2試合にベンチ入りした。登板はなかったが、大胆すぎる抜てきが話題になった。

最速は昨年のフェニックス・リーグで球場表示された158キロ。目標は「165です」とさらりと言う大物ぶり。期待をかける中嶋監督は「まだリハビリ。焦らすなよ」と慎重にデビューのタイミングを計っているもようだ。「開幕1軍をもちろん狙っているし、ローテに割って入ることを目指してやっています」と山下。育成から半年で侍ジャパンになった宇田川のように、また逸材が殻を破ろうとしている。【柏原誠】

◆山下舜平大(やました・しゅんぺいた)2002年(平14)7月16日生まれ、福岡県出身。福岡大大濠では甲子園出場なし。20年ドラフト1位でオリックス入団。1軍登板なし。昨季はウエスタン・リーグで8試合、2勝2敗、35回1/3を投げて42奪三振、防御率3・31。名前の由来は20世紀前半の経済学者ヨーゼフ・シュンぺーター。190センチ、98キロ。右投げ右打ち。

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