広島黒田博樹球団アドバイザー(47)が4日、キャンプ地にサプライズ合流した。コーチ陣には知らされていたが、新井監督には秘密にしていた。午後のフリー打撃を行うグラウンドに現れたスーツ姿に、新井監督は驚きながらがっちり握手をかわした。「知らなかった。第2クールからって聞いていて。本当にびっくりした」と指揮官。キャンプ中もメールのやりとりをしており、「いつ来るのかと催促されていて、“行けたら行く”と返事だけして、黙ってきました」という黒田アドバイザーのドッキリにはまった形だ。

この日はスーツ姿のままケージの後ろで意見交換。さらに球場控室に移動して、ヘッドコーチらを交えた緊急ミーティングは全選手が宿舎に帰った後まで続いた。「今いる選手が今年1年素晴らしいシーズンを送れるように。そして素晴らしい野球人生を送れる手助けができればと思います」。

指導は5日から17日までを予定。1軍だけでなく、2軍の指導にもあたる。新井監督は「生きたお手本なので。しっかりと質問して吸収してもらいたい。黒田さんが“もう疲れたから明日にしてくれ”って言うぐらい、どんどん行ってほしい」と選手たちの“聞き魔”化を求めた。【前原淳】

○…大瀬良がエンゼルス大谷も使用する「パルス」を付けてブルペン投球を行った。肘の負担を数値化するもので、昨季終了時から取り入れている。キャンプでの使用は初。ここ数年、負傷離脱が続いているだけに「予防です。オーバーワークになりすぎないように使っています」。この日はカーブ、スライダーなどの変化球を含め51球を投じた。「真っすぐの数は増えますけど、全体的な変化球の精度を上げていければトータル的に上がっていく」。コンディションに不安なく、調整は順調だ。

○…WBC日本代表の栗林が、ブルペンで打者を想定して投球した。28球目から菊地原投手コーチを左右の打席に立たせ、45球目のカットボールは左打者の内角をえぐった。後ろで見つめていた新井監督は「スライダーかと思った。それぐらい鋭く横に滑っていた。あのカットボールを左打者の懐に投げられたら、すごい嫌だよね」と絶賛。同球種はWBC球との相性がいいのか、栗林も「あの感覚、あのイメージを忘れないようにしないといけない」と新たな発見を喜んだ。

○…巨人から現役ドラフトで加入した戸根がフリー打撃に登板した。二俣、末包と対戦して安打性は4本だった。登板後に球場を訪れた黒田球団アドバイザーから胸囲120センチの胸板をたたかれながら「頼むぞ」と言葉をかけられた。「大きな大胸筋ぐらい期待していただければ。頑張りたいと思います」。巨人時代よりも早い仕上がりに、大きな胸を張った。

【写真速報】今キャンプ初の週末 野茂さん、黒田さん、清原さんも来た! 球場には大勢のファン