キャンプインから球春到来。6年ぶりの「世界一決定戦」、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕も約1カ月後に迫ります。侍ジャパンへのエールを込め、「MY WBC」を紹介します。第4回は楽天編です。

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楽天炭谷銀仁朗捕手(35)が、酸いも甘いも知る侍経験を振り返った。13年に3試合、前回17年に2試合とWBCに計5試合出場した。日の丸を背負う重圧は計り知れなかった一方で、学ぶことも多かった。捕手として、勝利へ向かって他球団の投手と力を合わせる。「普段は味わえないことも聞ける。こんなこと言ったらあれですけど、それをシーズンに生かせる場合もあるし。いろんなことを吸収できる」と力を込めた。

1プレーで国の勝敗が変わる。いつもと違う緊張感は、野球観を広げることにつながる。一方で、懸念もある。「終わった後ですよね。気持ちの切り替えが大変だった。前回出場した人みんな言っていました」とも打ち明けた。世界一の決戦が終わると、それぞれのチームで日本一へ向けた長い戦いが始まる。燃え尽きている時間はない。

一握りしか体験できない世界の舞台に立てたことは誇りだ。一野球人として、侍ジャパンの戦いを楽しみにしている。前回は準決勝で敗退したが、「戦力的には十分というか、そら当然強いと思う。金は取れるんじゃないですか」と、世界一奪回に太鼓判を押す。シーズンへの調整を続けながら、吉報を心待ちにしている。【湯本勝大】