また1歩前進。広島森下暢仁投手(25)が27日、昨年10月の右肘クリーニング手術後初めてシート打撃に登板した。2セットで27球。最速は145キロを計測し、打者8人に3安打を許した。キャンプイン当初から開幕ローテーションに照準を合わせて調整を進め、キャンプ打ち上げ前日に実戦形式の登板。結果よりも、ここまでプラン通りに調整を進められていることが最大の収穫となった。

「自分がどれだけ(開幕までの)この1カ月で調整できるかだと思う。段階としては、いいキャンプを過ごせました」

キャンプ序盤は別メニュー調整が続いた。首脳陣やトレーナーと話し合い、シーズン初登板から逆算してプランを練った。手術した時点でWBCへの思いを断ち、万全な調整でシーズンに臨むため開幕投手への思いも我慢。与えられた時間を最大限使って調整していく計画だった。暖かい沖縄に移動してから調整のペースが上がり、ブルペンでの投球にも力がこもった。

今後はもう1度、自軍打者を相手に投げ、その後オープン戦登板に臨む見込み。「自分の球の質はまだまだ全然だと思うので、ここからどうやって上がっていくのかは自分次第だと思う。試合に入っていったときにもっとやらないといけないことが増えてくるのか、プラスして自分がどうやってしていかないといけないのかを考えさせられると思う」。強度は今後さらに上がっていくが、当初から照準を合わせていた開幕ローテ入りへまた1歩前進した。新井監督も「今日は何も問題なく投げられたのが一番の収穫」と順調に仕上げる姿に納得した様子だった。【前原淳】

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