虎の4番は心配ご無用! 阪神大山悠輔内野手(28)が第1打席に今春の対外試合初安打を放った。

初回2死一塁。カウント1-2からオリックス山岡の115キロ変化球を左前に打ち返した。2月の沖縄実戦は計25打数1安打。対外試合では23打席無安打と沈黙が続いていたが、ようやく待望のヒットが生まれた。続く佐藤輝の四球で満塁となると、板山のタイムリーで2点を先制。春の甲子園に久しぶりの六甲おろしが鳴り響いた。

ただ、見どころは凡打した3回の2打席目だった。ニヤリと笑ったのは岡田監督だ。「久しぶりにええバッティング見たやん」。クローズアップしたのは、山岡の初球143キロを高々と打ち上げ捕邪飛となった打席。「今年一番ええスイングしたな。あんな(初回の)ヒットなんて、どうにも思うてないよ。2打席目のスイングよ。今年イチのスイングしたんじゃない。2打席目で何となくいい感じになったなと思ったけどな」。そう言ってうれしそうにうなずいた。

大山の感覚も指揮官とピタリ一致していた。「別に(大事なのは)1本とかそういうところじゃない。(2打席目の感覚は)良かったですね。今日3打席ともタイミングであったりスイングの感じも良かった」。開幕に照準を合わせる4番にとっても、確かな手応えがあった。

オープン戦とはいえ、この日も1万7000人以上の観客がスタンドに集まった。声出しや鳴り物応援が解禁された今季初甲子園を終えた大山は「やっぱり声の通りにくさっていうのはある」とコロナ禍前の甲子園をイメージした。「残り甲子園でやれる試合少なくなってくるので、1試合1試合大事にしたい」。大山は大丈夫。岡田監督絶賛のスイングがそれを証明した。【桝井聡】

○…渡辺諒が甲子園で移籍後初ヒットを記録した。5回から途中出場で二塁の守備に就き、9回の第2打席でオリックス本田の直球を中前に運んだ。「初めての甲子園のプレーだったので、すごい声援を受けて。その結果しっかり打てたんで、うれしかったですね」。2月26日の日本ハム戦でも2安打を放っており、オープン戦2戦連続安打となった。

○…甲子園デビューの新外国人ヨハン・ミエセス外野手(27=レッドソックス3A)は2打数無安打だった。3番左翼で出場し、初回は山岡のスライダーにバットが回って空振り三振。2回は2死一、二塁の好機で三ゴロに倒れた。左翼守備では、初回のフライ捕球でドッと沸く場面も。盛り上がる甲子園に「元気もくれるし、すごくモチベーションになってうれしかった」と気に入った様子だった。

○…佐藤輝が「声出し応援」を喜んだ。甲子園で、マスクを着用しての声出し応援やトランペットなどの鳴り物応援が解禁。「小さい時から甲子園で応援していたので、懐かしいなという思いとその中でプレーするのは新鮮なのと両方ありました」。コロナ禍でプロ入りしたこともあり、本拠地でファンの生声による応援を受けるのは初めて。試合では2打数無安打1四球と快音は響かなかったが、ファンの後押しにうれしげだった。

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