肩と守備もレギュラー級よ! 阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22=中大)が4日、プロ初の甲子園ゲームとなったオリックスとのオープン戦で強肩、俊足を披露し、鳴り物と声援を解禁した虎党を沸かせた。5回から代走で出場。早速“プロ初盗塁”を決めると、8回には右翼から好返球を連発した。虎将として15年ぶりに甲子園で指揮した岡田監督も、ドラ1ルーキーの「走守」に納得顔。最有力候補の開幕右翼スタメンにまた1歩近づいた。

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「代走森下」のコールに、観客1万7603人が沸いた。5回1死一塁、佐藤輝が空振り三振に倒れた1球。ドラ1ルーキーがスタートを切った。力強いスライディングで二塁を陥れた。「積極的に走りだそう、と」。指揮官のサインに応える“プロ初盗塁”。右足肉離れでキャンプ途中からの1軍合流となっていた不安を、快足で一掃した。

甲子園でのプレーは東海大相模で4強入りした18年センバツ以来、5年ぶり。試合前には「こんなに試合の時に間が空いたことがない。どう過ごせばいいか分からない」と初々しかった森下だが、久々の聖地で持ち味を存分に発揮した。

右翼守備では8回に強肩を連発した。1死二塁からタッチアップに十分な距離の飛球をさばき、中継へ強烈な送球。「入りはそこまで良くなかったけど、つないで進塁させなかったのは良かった」。三塁を狙いかけた走者大城をすぐに帰塁させた。直後は頭上を越されてから中継に素早く返球し、打者走者を三塁でタッチアウトに。甲子園練習でも筒井外野守備走塁コーチと個別守備練習を継続する中、早くも成果が表れた。

この日は岡田監督にとっても、虎将としては08年以来となる甲子園での指揮だった。15年ぶりの景色には「まあ別に普通やで」と淡々と振り返った指揮官だが、ドラ1ルーキーの話題に移ると冗舌に。「肩ずっといいやん。肩というかスローイングがいいから。足も遅いことはない。盗塁できるくらい、足はあるよ」。開幕右翼どころか3番起用すら視野に入るルーキーの動きにただただ納得顔だ。

打撃ではオリックス20歳右腕山下の156キロ直球を初球から狙って「重さを感じた」と二ゴロ。43年ぶりとなる阪神新人による甲子園初戦アーチはならなかった。それでも本人は「打球的にはそこまで悪くなかった。次につながると思います」と前向きだ。

鳴り物応援や声援が解禁される中、初めて甲子園の熱気も浴びた。「ああいう応援は初めて。迫力もあった。お客さんが増えてくれば、もっと歓声も大きくなる。しっかり味方につけてプレーしたい」。5日オリックス戦は先発出場する予定。3拍子そろう大物ルーキーが、歓声も新たな武器にする。【波部俊之介】

▽阪神筒井外野守備走塁コーチ (森下の守備に)良くはなっているし、本人も手応えを感じていると思う。森下はあの肩の強さがあるので、そこを生かせるように(指導している)。いい捕球とか、いい体勢とか。

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