ひと休みしたエースが、ギアを上げる。体調不良で2日の紅白戦登板を回避した日本ハムの上沢直之投手(29)が、11日の春季教育リーグ・ロッテ戦(浦和)でキャンプ後初登板する。自身初の2ケタ勝利を挙げた18年も、オープン戦中の3月に発熱で一時離脱。ちょっとした調整遅れも“吉兆”ととらえ、状態を上げていく。

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一切、焦りはない。“出直し”となる11日の春季教育リーグでの登板へ、上沢は「大幅に遅れているわけではないし、体力的にも落ちていない。大丈夫」と強い口調で話した。1日夜に発熱。一時は39度に達したが新型コロナ、インフルエンザ感染はなかった。本来、紅白戦登板予定だった2日はゆっくり静養にあて、3日から別メニューで体を動かし、4日からチーム練習合流。ひとやすみしたが、大きな影響はない。

「20時間ぐらい寝ました。なんか寝たおかげで、関節がすごく動くようになって。しっかり休むの大事だなって思いましたね。プラスにとらえてやろうかなと」。18年3月、広島とのオープン戦に登板し6回1安打無失点と好投した直後に発熱。当時も39度近くの熱が出てチームを一時離れた。「その年も、良かったんで。いい予兆かな」。11勝と初の2ケタ勝利を挙げた吉兆イヤー同様、ここから運気を引き寄せる。

同学年の西村が交換トレードでロッテに移籍。昨年末にはFAで近藤がソフトバンクに移籍しており「同級生がどんどん減って寂しい。でも同じパ・リーグだし、またすぐ会える」。新たな環境にチャレンジする戦友の奮闘も、自らのカンフル剤にする。

実戦登板は2月23日のロッテ戦以来。試運転だった前回は2回3安打2失点も「次はある程度ゲームを作ることだけを意識している。結果を求めながら。試す段階も終わってきている」。この日は千葉市内の屋内施設で約2時間、コンディションを整え、スイッチは入った。登板間隔は空いたが、自ら気持ちをコントロールし、開幕モードに、切り替えていく。【永野高輔】

○…5年目の生田目が10日の阪神戦で甲子園初登板する。水戸工時代は2年秋、3年夏の県8強が最高。聖地とは無縁で「高校の時、狙える立場じゃなかった。常総学院が強かった。不思議な感じ。テンション上がるっすね」と意気込んだ。加藤貴からは5勝でご褒美をもらえる“加藤賞”を約束をしてもらっており「まずオープン戦でアピールして、開幕ローテに食い込みたい」と思い描いた。

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