昨季限りで中日を戦力外となり現役引退した平田良介氏(34)の引退セレモニーが、本拠地バンテリンドームの楽天戦で行われた。

試合前には打撃練習を披露。9シーズンつけた背番号6のユニホーム姿でグラウンドに現れると、「平田」「良介」などの歓声と拍手に包まれた。応援団から現役時の応援歌が流れる中、強いスイングを披露。最後に左翼席に放り込み、大きな拍手を浴びた。その後、大阪桐蔭の後輩、楽天浅村から花束を贈られた。シートノックでは定位置だった右翼に就き、二塁、本塁への好返球をみせた。試合開始直前には、長男琉輝也(るきや=12)君が投げ、平田氏が捕手として球を受けるセレモニアルピッチも行った。

この日の練習中は立浪監督をはじめ、コーチ、選手らが「THANK YOU RYOSUKE HIRATA」と記したおそろいのTシャツを着用した。

試合後には立浪監督、選手らが一塁ベンチ前に整列。現役時代のVTRが流され、大島、楽天阿部、家族から花束が贈られた。マウンド前のマイクで平田氏はスピーチ。「泣かずにセレモニーをしようと思ったが大島さんから花束をもらったときに泣いてしまいました。07年の日本一から始まり、リーグ優勝を経験させてもらい、死に物狂いの野球生活だったけど、たくさんの思い出をもらった」と話し、18年のサイクル安打などプロ生活の思い出が刻まれたバンテリンドームに別れを告げた。あいさつの後は中日ナインや楽天浅村による胴上げで宙を舞い、その後記念撮影を行った。

平田氏は昨年9月中旬に立浪監督から引退を打診され、10月上旬に球団から戦力外を告げられた。12球団合同トライアウトは受けずに他球団へ移籍を模索したが、12月末に自身のSNSで現役引退を公表した。その後は日本学生野球協会の研修を受け、プロ野球経験者が国内の高校、大学で指導が可能となる資格を2月に回復している。

今回の引退セレモニー実現にあたり、平田氏はSNSで「1度断ってしまった引退セレモニーの話を、もう1度企画していただいた皆さまには感謝しかありません」などとつづっている。

SNSによると、現在は「楽しく、厳しく、あまり型にはめない指導をしたい。プロ野球選手OBとして野球に恩返ししたい。子供たちの夢のサポートをしたい。野球に携わる仕事をしたい」という思いから、大阪市で飲食店を展開する企業が作る軟式野球チームに所属しているという。

今後は野球評論家活動とともに名古屋市内を拠点に野球塾を開講する。

◆平田良介(ひらた・りょうすけ)1988年(昭63)3月23日、大阪府生まれ。小学1年から野球を始め、中学時代は硬式のボーイズリーグ「大阪北」「大阪都島」に所属。大阪桐蔭では3年夏の甲子園で、PL学園・清原和博以来となる1試合3本塁打を記録。05年高校生ドラフト1巡目で中日に入団。中日一筋17年で、通算1227試合出場し、打率2割6分8厘、1046安打、105本塁打、484打点。ベストナイン1回、ゴールデングラブ賞1回受賞。177センチ、92キロ。右投げ右打ち。

▽中日大島(平田氏引退セレモニーで花束贈呈) 17年間、お疲れさまでした。本当はいっぱい言うことがありますが、まずは体をゆっくり休めてください。

▽中日柳(6回2本塁打2失点) (本塁打は)納得して真っすぐを選んで投げた。中身はあった。

【関連記事】中日ニュース一覧