ヤクルトの大卒3年目、並木秀尊外野手(23)が初の開幕1軍と盗塁王を目指す。

阪神とのオープン戦が雨天中止となった18日、神宮の室内練習場で居残り練習を実施。開幕まで約2週間、生き残りを懸けて正念場を迎えている。

「走っていかないと生き残れないので」と、50メートル6秒フラットの俊足に磨きをかけてきた。オープン戦の盗塁数はここまで6個と12球団トップ。盗塁スタート時の動作を改善した成果が出始めている。

改善前は勢いを付ける目的で左腕を一塁方向に振り出してからスタートしていたが、河田外野守備走塁コーチからのアドバイスで、逆に左腕を二塁方向へ振り出すよう改善。コンマ1秒を削り出すために無駄な動きを減らした形だ。

8日ソフトバンク戦では4打数3安打の猛打賞だったが内容は全て内野安打。盗塁も2つ決めた。さらに12日広島戦では2つの四球とセーフティーバントを1つ決め、高津監督から高評価を得た。「昨年は自分が打ちたいという欲が強かったが、今は状況を見ながら自分のタイプを考えている。塁に出ないと自分の足が生きてこないので、そこもちゃんと考えながらできている」と自分の長所を前面に出そうと努力する。

侍ジャパンには盗塁の名手、周東がいる。大差で勝ってきたWBC準々決勝までとは違い、接戦が予想される準決勝、決勝こそ走塁1つが勝利の鍵を握るかもしれない。並木は「準決、決勝で周東さんが塁に出たら注目したい」と貪欲に吸収したい構えだ。

残り2週間を切ったサバイバル。「開幕1軍を取り、1年間通していられるようになったら盗塁王を間違いなく目指したい」と意欲を示した。【三須一紀】

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