日本ハム新庄剛志監督(51)にとっても、新球場での歴史的な開幕戦は“本名登録”での公式戦初采配となる。昨年はセンセーショナルを巻き起こしたビッグボスではない。

「優勝なんか一切、目指しません」と公言した就任1年目の昨季は、開幕戦前日となる22年3月24日に登録名を「BIGBOSS」に変更してシーズン終了まで指揮を執った。ただ、札幌ドームでの公式戦最終戦となった同年9月28日のロッテ戦の試合後のセレモニーで「今シーズンをもって、ビッグボスのユニホームを脱ぎます。ありがとうございました」と、あいさつしていったん退場。その後、新たに「SHINJO」と書かれたユニホームで再登場して「来年(23年)、新庄剛志で、エスコンフィールドで監督の指揮を執ってもいいですか?」とファンに問いかけ、大きな拍手をもらうと「来年(23年)は、2位も6位も一緒です。日本一だけを目指して、ブレずに戦っていきたいと思います」と宣言した。

だから今季は登録名を「BIGBOSS」から「新庄剛志」に再変更した。「優勝しか、目指しません」と公言する今季への意気込みの表れだ。かなり浸透したビッグボスの愛称を“捨てた”理由について、新庄監督は札幌ドーム最終戦のセレモニー後に、次のように説明していた。

新庄監督 ビッグボスのユニホームを脱ぐというのは、寂しさとかいうより、真剣勝負。来年、“新庄剛志”でいきたいなという気持ちがある。ビッグボスって…チャラい(笑い)。でも、いいんです。来年ね、もうチャラけられないから。「船長」にしようかなぁ、「新庄」にしようかなぁって悩んだんですけど「新庄」でいきます。

現役引退した06年以来となる“SHINJOユニホーム”を着用して臨む今季は派手なパフォーマンスは封印して、シーズン開幕までブレずに突き進んできた。

昨季は試合中にリクエストを行うと「ビッグボスからリクエストがありましたので…」というアナウンスがあり、各球場でどよめきと笑いも起きていた。「意外とね、恥ずかしかったんですよ。やめてって感じでしたからね」と苦笑いで指揮官も振り返っていた“名シーン”も今季はお預けとなるが、すべては優勝、日本一になるため。就任2年目の「新庄剛志」監督の勝負に徹する采配も、いよいよ始まる。

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