巨人が4連敗の中にも、光明が差し込んだ。先発グリフィンが5回途中6失点でKOされ、打線は6回まで0行進に封じられた。終盤の反撃も及ばず、原監督は「ここのところピッチャーには、ちょっと負担をかけている」。4試合いずれも先制点を奪われて黒星。打線の奮起が待たれるが、悪いことばかりじゃない。

7回無死。2試合ぶりにスタメン復帰した坂本が、23打席目にして今季初安打初本塁打となるバックスクリーン弾を放ち、ベンチが沸いた。でも「継続しないと意味がない」というのは本音だから、次打席の左前打には少しだけ目尻を下げた。前日は元巨人内野守備走塁コーチの木村拓也さんの命日。18歳だった1年目、初スタメンで二遊間を組んだ。「いろんなことを教えてもらった。広島にくればいつも思い出します」。その広島で高々と打ち上げた大きな復活弾だった。

頼れる主将・4番岡本和は、単打3連打。前夜から6打席連続シングルで、打率4割6分7厘は首位打者をひた走る。だが「本来そこじゃない、求めているものは」。4年連続30本の主砲。0本0打点に満足できるはずがない。

熱男こと松田が試合前の声出しで言った。「とにかく打線、調子いいですよ。つながるだけ。僕の眉毛くらいつながってください。チャンスでつながる打線で行きますよ」。アイブラックで眉毛をつなげ叫んだ。文字どおりあとはつながるだけ。トンネルの出口はもうすぐそこに見えている。【栗田成芳】