背番号「GO」が「A CHI CHI」な夜を演出した。

西武外崎修汰内野手(30)が右へ左へ、2打席連発アーチをかけて1発攻勢をけん引。首位ソフトバンクとの2連戦に先勝し、今季初の3連勝で1ゲーム差に迫った。この日は歌手郷ひろみ(67)がセレモニアルピッチとスペシャルライブに登場。チーム5年ぶりの東京ドーム主催試合での快勝に花を添えた。

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4万人を超える満員の東京ドームで「背番号5」が躍動した。まずは同点ソロだ。1点を追う4回1死、ソフトバンク石川の外角真っすぐを右翼席へ運ぶ3号。逆転ののろしを上げた。「久しぶりに逆方向に大きいのが打てたんでよかったです。いやあ、気持ちいいですね~」。大声援をBGMに、悠々と駆けた。

アップルパンチは止まらない。1点リードの5回1死二、三塁では投手交代直後の又吉を捉えた。今度は内角への速球を左翼席へ。「今回も打った瞬間にスタンドに入ったなと思いました」。“確信弾”で5回までに4打点を挙げた。

プロ9年目で2打席連発は自身初だった。試合前には「背番号GO」の郷ひろみがセレモニアルピッチでグラウンドを温めた。オリックス杉本と並ぶリーグトップの4号3ランで追い詰めた瞬間、実況中継は「まさに、これは林檎(りんご)殺人事件!!」と絶叫。外崎の実家がりんご園であることから、郷ひろみと樹木希林の名デュエット曲にかけて熱狂を伝えた。

チームは今季初の3連勝で首位ソフトバンクとの2連戦初戦を取った。外崎に中村とペイトンが続き、4発を打ち上げて7得点の快勝。打線には、WBCで「ジャパン」を支えた源田も山川もいない。負傷から「早く戻ってきてくれることを願ってます。でもいないことはしようがない。帰ってきてくれるまで、いい位置にいられるように」。不在を力強くカバーした。

6回1死一塁の守備では、柳田の打球を好捕で二直に仕留めた。ソフトバンクと1ゲーム差。「めちゃくちゃ強いイメージはありますよ。明日はまた0-0から試合が始まる。先制攻撃できたら、自分たちらしい試合ができると思います」。青森りんごは春に多く出荷され、夏から秋に旬を迎える。アップルパンチに不作はいらない。【鎌田良美】

○…平良が6回1失点で、前週のロッテ戦に続いて自身2連勝とした。初回先頭の2連続四球から先制点を献上したが、持ち直した。6回は1死一塁から外崎、ペイトンと立て続けの好守にも助けられた。「立ち上がりから四球を出し、自分で厳しい試合展開にしてしまいましたが、なんとか1失点で投げ切ることができました」と話した。

■郷ひろみセレモニアルピッチ、松坂大輔氏も始球式

郷ひろみがセレモニアルピッチを行った。背番号「GO」のユニホームで登場し、ノーバウンド投球を披露。「79年の球団結成披露パーティー以来の出演でしたので、ストライクよりも納得できる投球ができればいいなと思っていました」と話し、君が代独唱も行った。試合後には赤いジャケット姿でスペシャルライブ。「2億4千万の瞳」「ジャンケンポンGO!!」を歌い上げ、外野を駆け回って盛り上げた。また西武OBの松坂大輔氏(42)も始球式に登場。東京ドームはプロ初先発の地で「初登板のことも思い出しました」と笑顔だった。