楽天内星龍投手(21)が、プロ初勝利を挙げた。

同点の延長11回に7番手で登板。履正社時代からオリックス山本の投球フォームを“完コピ”し、今季からは本家の新フォームにも適応して、1回1安打2奪三振無失点。直後に打線が奮起し、サヨナラ勝ちを収めた。21歳の誕生日前日に待望の1勝。ウイニングボールは「両親、特にお父さんに渡したい」と笑顔だった。

厳しく育ててくれた。父文武さん(46)は、近大付、近大、ヤマハでプレー。その影響で小学2年のときに野球を始めた。中学まではずっと野手。高校1年秋に外野手から投手へ転向した。「野手で結構うまくいっていたんですけど、(父に)投手をやりたいと言ったらすごく反対されて『もう野球見に行かない』と言われた。口もきいてくれない期間もあった」。息子を心配しての反対だっただろうが、1年ほどは本当に応援に来てもらえなかった。 それでも、父がいたから今がある。「小さい頃から朝から晩まで野球に付き合ってくれた。たくさんケンカすることもあったけど、お父さんとお母さんのもとで生まれて本当に良かった」と感謝した。まだまだ3年目。経験を積んでさらなる飛躍を遂げ、恩返しを続けていく。【湯本勝大】