日本製鉄鹿島が後半、一気に畳みかけて勝利につなげた。

星槎道都大コンビが試合を決めた。両軍無得点の7回、無死一、二塁。3番生田目忍外野手(25=星槎道都大)が「後ろにいい打者がいる。何とかいい場面で次につなごう」と直球を捉え、中越え適時二塁打で先制した。なお二、三塁から4番松田彪瑠(たける)捕手(23=星槎道都大)は「先輩がつないでくれた」とバットを振り抜くと、打球は右翼スタンドへまっしぐら。3ラン本塁打で、この回一挙4点を挙げた。

生田目と松田は星槎道都大の先輩、後輩。大学時代は4番に生田目、5番に松田と並んだ。「長打は松田の方が打てるので。自分はシングルでつなげるバッティングです」と生田目が言えば、松田も「生田目さんは大学時代からスーパースター。常に自分の前で出塁してくれました」。それぞれの役割に徹したコンビの息はバッチリだ。

生田目が日本製鉄鹿島に入社すると、松田も「一緒に野球がしたい」と、その後を追った。入社時には「ホームランを意識して打席に入れ」とアドバイスをもらい、今もその言葉を胸にバットを振る。「僕は本来は長距離バッター。今年は狙っていこうと思います」。都市対抗予選を控え、幸先のいい本塁打になった。

チームは19日、日立市長杯で優勝し、11月に開催される第48回日本選手権の出場権を獲得したばかり。松田は同大会で最高殊勲選手賞を獲得した。生田目は「頼もしい後輩。自分も負けないように頑張りたい」と話し、松田も「尊敬はしていますが、ライバル心もあります」と、切磋琢磨(せっさたくま)する気持ちは忘れない。頼もしい星槎道都大コンビが、これからもチームを勝利に導く。【保坂淑子】