<ヤクルト0-7阪神>◇29日◇神宮

「村神様」対決に完勝! 阪神村上頌樹投手(24)が敵地ヤクルト戦で同姓の4番村上宗隆内野手(23)と初対決し、内角直球で果敢に詰まらせて3打数無安打に封じた。8回を7奪三振2安打無失点でプロ2勝目。開幕からの連続無失点を25回まで伸ばし、今季ロッテ佐々木朗がマークした20回を上回った。規定投球回にも到達し、防御率0・00で堂々のトップ。大卒3年目右腕の勢いが止まらない。

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阪神村上の活躍を見るたびに、7年前の春に智弁学園・小坂将商監督(45)から聞いた言葉を思い出す。16年の第88回選抜大会。エース村上を擁し、智弁学園は初めて紫紺の大旗を手にした。「センバツは本気で優勝を狙う、と言えたのは、村上がいるから」。優勝監督はそう明かした。

150キロを超える剛球があるわけではない。特別、体が大きいわけでもない。それでもさまざまな長所を持った好投手だった。

選抜大会の開幕直前、実戦で打ち込まれた末に、監督とエースは投球フォーム改造に踏み切った。「胸の前でグラブを構えるから、相手打者に球種が分かる」と要因を突き止め、ベルトの位置で構えるフォームに変更。「大会直前に触るのは怖かったけれど、村上は難なく対応しました。あのセンバツへの準備で一番忘れられない出来事です」。

監督の決断に難なく応え、防御率0・38で全5試合を1人で投げ抜いた右腕。投手としてのセンス、力量は高校時代から変わらぬままだ。【堀まどか】

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