巨人坂本勇人内野手(34)が新たな勲章を手にした。史上初の東京ドームでの通算1000安打を達成した。6点を追う4回1死一塁。ヤクルト高梨の外角低め144キロ直球に左足ステップを小さくし、タイミングを合わせた。ライナーで中前に運んだ。「東京ドームで多くのファンの声援のおかげで、ここまで積み上げてくることができました。これからも1本1本積み重ねていけるように頑張ります」。同一球場での通算1000安打も史上13人目という希少な記録だった。

プロ17年目、慣れ親しんだ本拠地で896試合目だった。東京ドーム初安打は高卒2年目の08年4月1日中日戦。中田から右翼への二塁打を放ってから5510日。背番号は61から6に変わった。7度のリーグ優勝を経験。昨季まで8年間は主将を担った。自主トレでは「すごく難しいな。何が正解か分からない」とも漏らした。けがをしない体作りとパワーの両立に悩み、最適解を必死に模索した。今季は開幕から22打席連続無安打のかつてない不振もあった。年齢とも向き合い、試行錯誤し、次なる1本を積み重ねてきた。

球団では川上哲治氏(1099本)、長嶋茂雄氏(1198本)、王貞治氏(1287本)が後楽園球場だけで通算1000安打を達成。88年に開場の東京ドームでは坂本が初だった。6回先頭には中堅フェンス直撃となる通算420本目の二塁打をマーク。二塁打数も張本勲氏に並ぶ歴代7位となった。背番号6は、まだまだ高みを目指していく。【上田悠太】

▼坂本が2安打を放ち、東京ドームでは通算896試合の出場で1001安打。同一球場での最多安打は野村克也(西武)が大阪球場でマークした1465安打で、同一球場で1000安打以上は史上13人目。巨人ではかつて本拠地とした後楽園球場で3人が達成しているが、東京ドームで記録したのは坂本が初めて。

▼6回の二塁打で、通算二塁打は420本。二塁打の最多記録は立浪(中日)の487本で、420本は張本(ロッテ)に並ぶ歴代7位タイ。