日本ハム新庄剛志監督(51)は思わず、報道陣に確認した。「双子? 」。いやいや、先発で6回無安打無失点の好投し、先発初勝利を挙げたのは北山亘基投手(24)で間違いない。「北山君ですよね!いやいや、良かった。以上」。指揮官に陽気なジョークを言わせるほど“先発北山”は“中継ぎ北山”とは見違えるほど力強く、完璧だった。「うれしいですね」と笑みを浮かべた2年目右腕はウイニングボールを右手で掲げて、無邪気に喜んだ。

ほどよく力が抜けた投球フォームから、直球は最速152キロ。セットアッパーで課題としていた制球がまとまり、あまり使っていなかったスライダーも交えながら、西武打線を翻弄(ほんろう)した。「本当に1イニング、1球ずつっていう意識で投げていた」と、ゼロを並べ続けた。

バッテリーを組んだマルティネスの起用は新庄監督が「昨日、飯を食っていた時に決めました」。大柄の捕手で「的が大きいので思い切って投げなさい」という狙いも的中。6回無安打無失点、2四球の快投。先発転向が見事にはまった。

2軍戦で5回64球が最多だっただけに、この日は80球がリミットだった。7回以降は1カ月前までブルペン仲間だったロドリゲス、玉井、宮西、田中正が9回2死まで無安打無失点リレーを続けた。継投でのノーヒットノーランは惜しくも逃したが、会心の勝利に新庄監督も「北山君とグワチョ(マルティネスの愛称)と投手陣には足を向けて寝れないっすね」。これで2カード連続勝ち越し。最下位脱出へ向けて、個々とチームが絶賛成長中のチームは、追い上げ態勢も徐々に整ってきた。【木下大輔】

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