宮城は宮城に強い! オリックス宮城大弥投手(21)が、今季のチーム初完投&初完封でリーグ単独トップ4勝目を挙げた。

楽天打線をわずか4安打に抑え、三塁も踏ませぬ好投。テンポ良く109球を投げ、今季リーグ最短の2時間10分で試合を終わらせた。好相性の敵地で、プロ入り後は負け知らずの「5月無敗神話」も継続させた。

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敵地のマウンドに立つ直前のこと。「後悔しないように。投げたいボールを投げなさい」。宮城は中嶋監督から、そんな言葉をかけられていた。「そのおかげで9回を投げることができましたので。ありがとうございます」。満面の笑みでハイタッチの列に加わった宮城を、指揮官は手荒いタッチでねぎらった。

味方の好守もあり2、3回のピンチを切り抜けると、4回からは5イニング連続で3者凡退。「また違う感覚というか、違う自分が見えたので。すごく楽しかったと思います」。今季初めてバッテリーを組んだ若月とコミュニケーションを取りながら、自ら配球を組み立てる場面もあった。2人で大切にしたのは「しっかり投げたいボールを投げる」こと。軸となる直球を臆せずどんどん投げ込み、緩いカーブやスライダーを生かす。指揮官の言葉を胸に最後まで投げ抜いた。

プロ入り以来、5月は8勝0敗。「不敗神話」を伸ばし、宮城が宮城で輝いた。敵地はこれで通算防御率1・29と球場別で最少。ここでしか味わえない、お楽しみもある。「球場で牛タンが出たら食べます。今回も良い感じでできたので。おいしくいただきたいと思います」。おいしい名物も快投のエネルギーにする。

今季チームで初完封勝利を挙げ、無傷でリーグ単独トップ4勝目。仲の良いエース山本を、今は2勝上回っているが…。「言っちゃうと越される経験がこの2年間出ていますので、あんまり言わずに。こそこそと伸ばして行けたらなと思います(笑い)」。控えめな笑顔で、こっそり? 白星をためていく。【磯綾乃】

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