過去5戦で17被弾、47失点と大荒れだったヤクルト投手陣を引き締めたのはルーキーだった。互いに無得点で迎えた6回2死満塁。ドラ1吉村貢司郎投手(25)が珍しく感情をあらわにした。2死から3連続四球で迎えた阪神佐藤輝。「自分で招いたピンチ。全力で腕を振った」と、フルカウントから136キロで空振り三振を奪うと右手で強くグラブをたたいた。

開幕ローテから1度も離脱することなく6戦目の先発で、6回を投げ1安打も無失点もプロ初。高津監督が「マウンドでの立ち居振る舞いが落ち着いてきた」と成長に目を細めた。

好投手村上も意識した。国学院大だった吉村にとって村上(東洋大)は同じ東都大学野球リーグで1学年下。「すごく良い投手なのでロースコアになると思い自分も負けじと投げた」。

4月30日の前回阪神戦(神宮)、5試合目にしてようやくプロ初勝利を挙げた。その翌日「やっぱり目標は新人王?」と聞くと「もちろんですよ」と笑った。連勝で2勝目をつかみ「この流れで勝利を積み重ねたい」とタイトルへの野心は燃えたままだ。

▽ヤクルト・サンタナ(7回先頭で左中間へ決勝5号ソロ)「吉村が粘り強く投げていてなかなか援護できていなかったので、何とか点を取りたかった。村上投手もすごくコントロールが良かったが失投を1発で仕留めることができた」

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