バックは任せろ! 先発村上の60年ぶり大記録を、野手陣が好守でお膳立てした。失点の許されない、記録のかかる息詰まる展開。独特の緊張感の中、ナインのはつらつプレーに満員の甲子園が何度もわいた。

まずは二塁中野拓夢だ。0-0の3回1死一塁。遊ゴロをさばいた木浪のトスがそれてしまう。だがグラブを目いっぱい伸ばして捕球し、そのまま一塁へ。今度はショートバウンド送球を一塁大山が難なく捕球し、併殺を完成させた。「なんとかプレーを完結させることが大事だと思っていた。本当に大山さんがよく助けてくれたと思う」。中野はフォローにも感謝、感謝だ。

5回には再び1死一塁から一、二塁間への深い打球に食らいついた。「迷ってしまったら無理だった」。すぐさま二塁へ送球して封殺。「村上も頑張ってましたし、取れるアウトをアウトにしてあげたい気持ちはあった」。今季から守る二塁でいまだ無失策。ドラフト同期の奮闘に守備で応えた。

右翼ミエセスも5回、手前の打球に巨体を揺らしながら猛ダッシュ。「全力でできているので良かった」とスライディングキャッチを決めた。5日広島戦でも右中間への飛球をランニングキャッチ。再びの好守に岡田監督も両手をたたき、笑顔でたたえていた。

好守が光ったナイン。現時点で失策数はリーグ最少の11だ。指揮官は中野の5回の好判断にも「そら普通やろ。そんなん全然何も思てないよ、そんなもん」と当たり前と言わんばかり。虎の守備陣は、日に日に堅くなっている。【波部俊之介】

○…ミエセスは2リーグ制後球団初となるデビューから2戦連発を達成できなかった。2試合連続で「6番右翼」で出場。4打数無安打に終わったが、1軍では初の甲子園でのゲームを終え「雰囲気もすごくよく、ファンの人にもすごく応援していただけた。今日は負けたけど、明日から全部勝ち続けるつもりでやりたい」と気合十分だった。

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