広島が得意の延長戦を制した。3-3の同点で迎えた10回に、坂倉将吾捕手(24)の勝ち越し打、菊池涼介内野手(33)の2号満塁本塁打などで6点を挙げ、試合を決めた。延長戦は今季3戦3勝。広島サミットの影響からビジター12連戦の長期ロードを4連勝発進した。

グランドスラムが熱戦に終止符を打った。広島は延長10回1死一、三塁から坂倉の右前適時打で勝ち越し、2死満塁から途中出場の矢野が四球を選んで加点。トドメは菊池だ。巨人の7番手ロペスの代わりばな、フルカウントからの高め直球を強振して、カープファンが待つ左翼席に突き刺した。接戦から一挙大量6得点。多くの巨人ファンを家路につかせた。

「1点、2点(差の)ゲームで勝ち切っているから今はいい流れ。負けていたら、もっと雰囲気は悪くなるけど、今はいい流れですね。勝ち切れてよかったです」

接戦を総力戦で制した。逆転を許した直後の7回は1死一、三塁から代打野間が右翼へ犠飛を打ち上げ、すぐさま同点に追いついた。1点を追う9回は、巨人の抑え大勢を代打攻勢で攻略した。1死から韮沢が左中間への二塁打で好機をつくると、代打の切り札・松山が詰まりながらも左翼前に落とし、代走羽月が同点の本塁を駆け抜けた。打者一巡の延長10回表を終え、ベンチ入りした野手はもう会沢1人しか残っていなかった。

広島サミットの影響から、ビジター12連戦の長期ロードを4連勝発進した。長期ロード前まで今季ビジターで4勝10敗と苦手としながら、新井監督は「あんまり気にしてないし、関係ない」と自信を持っていた。指揮官の言葉通り、中日を3タテし、敵地・東京ドームでの接戦をものにした。総力戦でつかみ取った4連勝。「自分たちは戦いながら強くなっていかないといけない」。開幕前から指揮官はそう選手に言い聞かせていた。4月11日の5連勝以来の4連勝に「最後まで諦めないという、みんなの姿勢。みんな力を付けているなと思います」とチームの成長を感じている。【前原淳】

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