阪神が14安打9得点の猛攻で今季初の5連勝を飾った。クリーンアップ3人で8安打を記録し、打線がつながった。中でも5番佐藤輝明内野手(24)は5回に左中間への適時二塁打で放ち、4戦連続で打点を記録。打点ランキングで単独トップに浮上した。4番大山悠輔内野手(28)とそろって打点は挙げれば、昨年から9連勝。2位DeNAに2ゲーム差とし、首位固めに入った。

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佐藤輝が左中間へ高く打ち上げた。外野フライか。安堵(あんど)する中日ファンの歓声は、ざわめきに変わった。2点リードの5回無死一、二塁。カウント1-1から中日福谷の外角低めフォークをすくいあげた。打球は風に乗ってフェンス手前まで伸び、中堅大島のグラブをかすめながらも落球。2番中野から4連打となる適時二塁打。4番大山に続く連続適時打となった。「しっかり振りきることができた。大山さんに続くことができてよかったです」と喜んだ。

コロナ禍でプロ生活を送ってきた佐藤輝にとって、地方球場での試合はプロ入り初だった。愛知・豊橋市民球場は両翼93メートルと甲子園よりも狭く、独特の雰囲気が漂った。それでもマイペースな男は「新鮮な感じで面白かったです」と楽しんだ。チームにとっても同球場は19年以来、4年ぶり。過去2戦2敗と苦戦を強いられてきた球場。5番のバットで鬼門突破に貢献し、豊橋の虎党へ勝利の六甲おろしを届けた。

3回にも左前打を放ち、今季8度目のマルチ安打。今季23打点目も記録し、打点ランキングで単独トップに浮上した。だが「まだまだ序盤なので。これから頑張って行きます」と、表情は緩めなかった。12日DeNA戦から、これで4試合連続の安打と打点を記録。「チャンスで打てば勝てる可能性は高くなる。頑張ります」。短い言葉に、決意をにじませた。

大山と、そろって打点を挙げた試合では昨季から9連勝。今季は負けなしだ。「しっかり中軸で点を取っていきたいと思います」と引き締めた。岡田監督も「ボール球振らんようなったよな、チャンスでな。だからやっぱりストライク投げてこなあかんわけやから、ピッチャーは。それを仕留められてるからいいんじゃない?」と2人の活躍にニンマリ。クリーンアップ3人では8安打を放ち、2戦連続先発野手全員安打。主軸コンビの不敗神話が打線の好調を支えている。

チームは今季初の5連勝を決め、貯金は8。2位DeNAが敗れたことで、ゲーム差も「2」に広がった。猛虎打線で勢いが加速。このまま首位固めに突入だ。【波部俊之介】

▼阪神の佐藤輝と大山がともに1打点ずつを挙げた。これで今季2人がアベック打点を記録すると8戦全勝。昨年から合わせると、9連勝となった。

▼阪神が豊橋市民で3試合目にして初勝利。過去2戦はいずれも中日戦で、02年4月16日は3-7。19年7月17日は4-6で敗れていた。

▼阪神が地方球場で試合を行うのは豊橋市民での19年7月17日中日戦以来、4年ぶり。勝利は倉敷で行われた18年5月22日ヤクルト戦以来8○3以来、5年ぶり。

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