任された7回を投げきり、冷静な表情を崩した。阪神西勇輝投手(32)が、7回5安打1失点で1カ月ぶりの今季2勝目を挙げた。

7回2死。この日100球目の135キロ変化球で代打鵜飼を空振り三振で打ち取った。淡々と投げ込んできたが、その瞬間は、グラブをたたいて闘志を見せた。「ピッチャーにしか分からない流れもある。そういう流れを感じながら大事なイニングだと思っていた。あそこのイニングで3人で切り抜けたことも大きかったですし、思ったところに投げきれて、三振だったのがよかった」と心境を明かした。

許した失点は、6回に浴びた細川のソロ弾のみ。走者を出しながらも要所を締める投球で、危機を脱出した。「相手にボールを定められなかったことが良かった」と分析した。今季ここまでバッテリーを組む梅野にも、「梅野の配球も良かったし、本当にずっと話し合っていた。そういういい結果がね、結びついてよかった」と感謝した。

中日は今季2度目の対戦。前回対戦の3日に2回6失点で降板。4月26日巨人戦に続き、2戦連続で3回以内で5失点以上で降板する試合が続いていた。「早く降板した試合は2試合とも、あっさり自分の中で何もすることなく終わった感じがした」。反省を糧に、この日は「わざとボール投げるとか、いろんなバリエーションを増やしながら投げていた。それが良かったと思う」と工夫し、打者に的を絞らせなかった。

完投で今季初勝利をつかんだ4月18日広島戦以来、4試合ぶりの勝利。それでもあくまでチームの勝利が一番。「チームが勝てればいい。別にこう自分の勝ちとか別に。(勝ちが)つくつかないは置いといて、ちゃんと仕事ができたという安堵(あんど)はある。それですね」。チームのために腕を振り、6連勝を呼び込んだ。【波部俊之介】