道産子バッテリーが新球場で記念の白星を挙げた。日本ハム伊藤大海投手(25)が、7回8安打2失点でエスコンフィールド初勝利。伏見寅威捕手(33)とのコンビで新球場での北海道出身投手の勝利第1号になった。チームは3カードぶりの勝ち越しで、4位西武に0・5ゲーム差に迫った。

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待ちこがれた新球場初のお立ち台だった。伊藤はまず「1回(お立ち台に)立てて気持ち的にすごく楽になった」と安堵(あんど)。そして加えた。「試合前にツイッターで、(チームが)ホームで負け越しているというのを見てしまった。今日は絶対勝つぞと思った」。思わず目に入った負のデータが快投のエネルギーになった。

粘って白星を拾った。2点援護を受けた直後の5回2死満塁のピンチを招くも、外崎をカットボールで空振り三振に斬った。「今日は右打者のアウトコースは真っすぐよりカットボールが強い。それは寅威さんが感じとって、多く使ってくれました」。コンビを組んだ伏見のリードも、勝負どころで背中を押した。

エスコンフィールドでは、前回登板まで2戦2敗。“三度目の正直”を目指し、今回は試合前にプレートにかける軸足の部分を、少し掘り下げてもらうよう要望した。「足が抜けないように掛かるようにしてもらいました。言ったからにはいいピッチングをしないと口だけになってしまうので」。長くお世話になる新たなホーム球場に、しっかりと恩返しした。

この日は、教育旅行や課外活動など学校単位で来場できるようにデーゲームで開催された。「スタンドを見たら小学生とかすごく多かったので、少しでも夢を与えられたかな」。道産子の星として、もっともっと勝利を積み重ねていく。【永野高輔】