仙台大が東北福祉大に6-3で先勝し、2季連続9度目の優勝に「王手」をかけた。

伊藤颯内野手(3年=鶴岡東)が先制適時打を含む2安打2打点。ジャクソン海投手(4年=エピングボーイズ)は救援登板で、4回1/3を1失点に抑える好投で勝利を呼び込んだ。同大は21日の第2戦も連勝で勝ち点を挙げた場合、優勝と全日本大学野球選手権(6月5日開幕、神宮ほか)出場も決まる。

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3点差に追い上げられた9回2死二塁、捕邪飛で最後のアウトを重ねたジャクソンは、ホッとした表情で整列に向かった。出番は1点リードの5回2死二、三塁。死球で満塁としたが、前打席本塁打の打者から決め球スライダーで奪三振し、雄たけびを上げた。一打逆転のピンチを切り抜け、6回は伊藤の適時打などで3得点。援護をもらってからは「テンポよく楽に投げられた」。同回から2イニングは3者凡退で、8回は1死一、二塁から無失点に抑えた。

開幕から無傷の8連勝で勢いがある相手に逆転させない投手陣に負けじと、打線が奮起した。4回に先制適時打を放った伊藤は、第3打席の6回1死一塁で初球を迷わずスイング。痛烈な打球は逆方向の右中間を破る適時三塁打となり、ガッツポーズした。「整備を挟んだ次の回で、またチーム自体が(波に)乗れると思った。しっかり点が取れたのですごく良かった」と喜んだ。

投打がかみ合った仙台大。あと1勝すれば2季連続優勝だが、春に限れば15年以来となる。昨秋の明治神宮野球大会準々決勝は、国学院大(東都)に2-6で敗戦。救援登板で1回無失点だったジャクソンは今オフ、ウエートトレーニングに注力し、平均球速の向上を実感する。「1戦目を取ったが、次勝たないと意味がない。(第2戦は)1戦目のように戦いたい」。全国の悔しさは全国で晴らす-。歓喜とともに、全国切符を一戦必勝でつかみにいく。【相沢孔志】