三菱重工Westが延長10回裏に6点を返す逆転サヨナラ勝ちで近畿地区予選の1回戦を突破した。

先発したプロ注目の竹田祐投手(23=明大)は10回途中10安打7失点だった。

「チームに勢いをつける投球ができなかったので次に生かしたいです」

2回から6回まで毎回走者を出すも7回からは無安打投球。しかし、10回表タイブレークで2連打を浴びたところで降板した。その後、痛恨の5失点につながった。

「7回からはテンポを上げて3者凡退にできた。10回に『力んでいる』と言われて力を抜きました。それが始めからできたらいい。後半になるにつれ、自分の感覚がよくなって試合中に修正できたのはよかった」

1年目の昨年から主戦で投げ続ける右腕は味方の反撃を信じて祈るのみだった。「奇跡しか願っていなかった。今日の第1代表のトーナメントで敗れたら、第4代表トーナメントに回る。(負けたら)自分のせいやなと思っていた」と責任を感じていた。

津野祐貴監督(36)は「竹田は本来の調子とほど遠かったが、それなりにしっかり投げていた。相手打者が対応してきた。変化球が浮いてしまった」と話した。

大卒社会人のプロ入り解禁イヤーにあたる2年目の竹田の登板に、8球団10人のスカウトが視察した。まず、エースとして自身の投球で2大大会出場へ導きたい。プロ入りへの思いを問われると「このチームにすべてをかけている。すでに日本選手権の出場権を獲得したので、(夏の都市対抗の)代表権を取って、このチームで東京に行くのが今の目標です」と語った。

母校・明大のリーグ優勝も励みになった。「後輩も頑張っていて刺激になる。自分も都市対抗に出られるように次の試合の準備をしたい」と強調した。【中島麗】