環太平洋大(中国地区)の注目左腕、徳山一翔投手(3年=鳴門渦潮)は不完全燃焼で神宮を去った。痛恨の1発を浴び、試合後は涙が止まらなかった。

「踏ん張らないといけなかった。1球の怖さを知りました。四球を意識して、直球が甘いところにいってしまった。(先発の)白水が頑張っていたので、勝ち投手にしてあげたかった。1球で負けてしまって、悔しいです」

6回から登板し、公式戦最速を更新する149キロを計測するなど速球中心に押しまくった。だが3イニング目に入った0-0の8回。先頭の左打者に決勝のソロ本塁打を浴びた。ここで降板を告げられた。

昨秋の明治神宮大会・国際武道大戦では7回を無安打投球。3投手による「ノーヒットノーラン」に貢献し、一躍注目された。来年のドラフト候補に目されている。

実は冬場に右足の股関節付近を痛め、リーグ戦も本調子でない中、戦ってきた。イニング数を制限した救援役として今大会を迎えていた。2週間前の練習で150キロに到達するなど、まだまだ伸びる要素が多い。

「去年、ノーノーをして重圧もありました。でもチームメートが声をかけてくれて、楽になった。直球の球質、変化球でもカウントを取れるようになったのは成長だと思う。エースとして日本一を導けるような投手になります」。自らにさらなる進化を課した。

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