青学大は、主将・中島大輔外野手(4年=龍谷大平安)の満塁弾を含む10安打9得点で7回コールド勝ちし、準決勝進出を決めた。

1点を先制し、なおも2死満塁。中島はカウント3-1からストライクを取りにきた高めの真っすぐを振り抜いた。打球は神宮球場の風に乗り、右翼スタンドへ吸い込まれた。1番打者として、いつもはゲームメークを役割とする男が、チャンスで「人生初」というグランドスラム。「見逃したらボールで四球も選べたかもしれない。でも、ここは弱気にならず、せっかくのチャンス。イケイケに押していくのが青学らしさ。積極的にと思っていました」。初回からベンチでは「俺に回してくれ」と、チームメートを鼓舞してきた。宣言通りの1発にチームが沸いたが、中島は「打つ自信があったので」と笑った。

イメージするのは、WBCで活躍したカージナルスのヌートバー選手だ。「1番打者として、ムードメーカーでありながらリードオフマン。自分も4年生でキャプテンでもあるので、そういうところで大きな存在になれるように頑張っています」と、理想に掲げる。50メートル、5秒8の俊足で強打が売りで、今秋のドラフト候補にも挙げられている。「1発も打てる中で足も生かせる打者が理想。今日のホームランは良かったと思います」。大舞台で打力をアピールし、胸を張った。

青学大は17年ぶりの大学選手権出場だが、これまで6回の出場で優勝が4回、1回が準優勝と好成績を残している。「17年前って、僕がまだ5歳なんでよくわからない(笑い)。ジンクス的なものもあると思いますが、勝ち進めていきたいと思います」。順調に勝利を重ね、先輩たちが築いた歴史に名前を連ねるつもりだ。