猛虎の不敗神話が一気に崩壊した。阪神が今季初の3連敗を喫し、交流戦でロッテと並び最下位に転落した。

今季無傷の6連勝中だった先発の大竹耕太郎投手(27)が同点の8回無死一、二塁から日本ハム加藤豪に決勝の中前適時打を浴び今季初黒星。岡田彰布監督(65)は不安定なブルペン陣を考慮し、大竹続投を決断したが、裏目に出た。不敗だった土曜日の連勝は8、デーゲームの連勝も9で止まった。

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データを見れば、負けるはずのない一戦を落とした。勝敗を分けたのは、8回だ。7回3失点の先発大竹をマウンドに送り、日本ハム加藤豪に決勝タイムリーを浴びた。今季57試合目で初の3連敗。今季無敗だった土曜日の連勝は「8」、デーゲームも9連勝でストップ。不敗神話が相次いで終わりを迎えた。岡田監督は大竹続投の理由を説明した。

「万全で湯浅までいけるんやったらいくけど、そういうことやろ。後ろ3枚ビシッといけるんやったら、そら。まだそこまで確立されへんやんか」

守護神湯浅は8日の楽天戦でサヨナラ本塁打を浴びるなど調子が上がらず、この日は2日続けてブルペンで投球練習を行い、修正に励んだ。勝利の方程式は盤石ではない。「(大竹が)勝負つけるというとこまでいかんとしゃあないやんか。勝ち越していたら代えられたけどな。同点じゃやっぱりな」。8回も左打者の3番加藤豪まで登板させるプランだったが、結果は裏目に出た。9連戦でチームに疲労蓄積が見られるなか、ブルペン陣の不安定な状態が試合の行方を左右した。

開幕から6連勝で快投を続けてきた大竹は序盤から本調子を欠いた。初回に先頭江越に四球、2番マルティネスに左翼へ適時二塁打で1点先制されると、2回には伏見、3回にはマルティネスにソロを浴び3回までに3失点。指揮官は「今日は悪かったなあ。マウンド合わんかったかなあ。高めばかりいっとったよなあ」と嘆くように、高めに浮いたチェンジアップを狙われた。5回には加藤豪の打球が左足に直撃するアクシデントもあった。それでも粘ったが、8回に力尽きた。

交流戦は借金2で、ロッテと並び最下位に転落した。指名打者制のあるパ・リーグ本拠地3カードすべてで負け越し。指名打者制の影響を問われると「そんなことないやろ。あんまり振れてないということやろ」と打線の奮起を求めた。DeNAも敗れセ・リーグでの4・5差は変わらず。慌てる状況ではないが、新庄ハムに同一カード3連勝を許すわけにはいかない。【石橋隆雄】

▼阪神が今季57試合目にして初の3連敗。2リーグ分立後では03年98試合目、08年62試合目に次ぎ3番目の遅さ。

○…加治屋が開幕からの連続無失点試合を22に伸ばした。1点を勝ち越された直後の8回無死一、二塁から登板。「狙い通りで、自分の持ち味を出せた」と、万波をフォークで二ゴロ併殺に打ち取った。2死三塁から松本剛をフォークで三ゴロに料理し、追加点を許さなかった。今季はピンチの場面からの登板する機会が多いが、「そういうところを任せられるのは意気に感じながら投げていますし、期待に応えられるようなピッチングをやっていきたい」と意気込んだ。

▽阪神大竹(今季ワースト4失点で今季初黒星)「気を落とさずに、やるべきことをやります」

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