2部優勝の東洋大は、ドラフト1位候補の最速155キロ左腕・細野晴希投手(4年=東亜学園)が185球を投じて完投し、先勝を挙げた。21年春以来の1部昇格へ、エースの熱投で王手をかけた。

5点差がついた9回も、細野がマウンドへ。2死一、二塁から126キロ変化球で遊ゴロに抑えると、ガッツポーズが飛び出した。9回を被安打6の8四球、7奪三振の1失点、185球を投げきった。湿度が高く「こういう気候が苦手で、いつもよりは疲れている。短期決戦は結果がすべてなので、内容はどうあれ1失点に抑えて勝てたのでよかった」。井上大監督は「うちのエースなので、勝っている間は代えるつもりはなかった。信頼していますから」と話した。

2-1で迎えた7回は自己最速にあと2キロに迫る153キロをマークし疲れは見せなかったが、2四球と安打で2死満塁のピンチ。最後は152キロで見逃し三振を奪った。ギアを上げて抑え「力を入れて投げました」と振り返った。

バックネット裏には、12球団のスカウトが集結。本人も「そんなに投げたことがない」という185球。1部昇格へ「(入れ替え戦を)全部投げるつもりだったけど、使いづらくしてしまって申し訳ない。みんながやってくれると信じています」と話した。

 

 

 

▽細野のスカウト評

ヤクルト小川GM「最後にさらにギアを上げて速球も投げられるし、踏ん張りきれる。元々、ポテンシャルは評価されているが、その高さを改めて感じた」

ロッテ榎アマスカウトグループディレクター「素材がいいことは分かっていますが、ゲームをつくることができる、勝てる投手」