3連勝で一気に捉える。

DeNAが阪神との首位攻防戦に連勝し、0・5ゲーム差に迫った。東克樹投手(27)が5安打無四球で今季2度目の完封。前夜1失点で投げ抜いた今永昇太投手(29)に続き、2日連続の完投でチームトップの7勝目を挙げた。横浜スタジアムでの阪神戦連勝は12に伸びた。5月13日以来の首位浮上へ、25日はサイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアー投手(32)で勝負に出る。

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試合後の取材に現れた東は第一声、流れるように語り出した。「意識しないでおこうと言ったにもかかわらず、昨日今永さんが完投して、対阪神何連勝とか、(本拠地の)デーゲームも負けてない、そういったことがSNS上に、それがどうしても目に入り、昨日の夜からずっと緊張して、なかなか寝付けず、本日を迎えました」。97球で中日を封じた4月30日以来、今季2度目の完封劇は、思わぬ緊張との闘いだった。

腹をくくったのは7回の打席に立った時。「これは最後までいくんだな」。6回までは山本が、後手に回らないよう強気にリードしてくれた。覚悟を決めるとアドレナリンが増した。低めに集めた。最後の打者は前夜9回に、ソロで今永の完封を阻止した大山。3ボールからでも攻め、直球で中飛に仕留めた。天を仰いで手をたたき、山本と抱き合う。四死球はゼロ。ここまでの10試合で6個に抑える制球力も光った。

首位攻防戦ではあるが、楽しみにしていた。相手先発の伊藤将はかつて、大学日本代表の同僚だった。1週間前から投げ合いを予期し「将司はいい投手。ロースコアになると思っていました」。接戦を勝ちきり、白星を「遅めの自分への、父の日のプレゼント」にした。と言っても、2歳の長女からはきちんと父の日に、絵の具のアートを贈られているのだが。

126球完投の今永から受け取ったバトンを、116球完封でバウアーにつないだ。並の投手ならプレッシャーに感じるかもしれない。だが「ないと思うんですよね、あの方は(笑い)。メンタルがすごい強いと思うので」。5月13日以来の首位浮上は目前。カード3戦目を交流戦3戦3勝のサイ・ヤング賞右腕に託し、最短で仕留める。【鎌田良美】

▽DeNA三浦監督(東の完封に)「走者が出た後の攻め方も、変化球を打たれてストライクをそろえすぎたところで球を散らしながら、うまく攻めたと思います。完封は投手だけでできるものではないですから、バッテリーの呼吸が非常によかった」

【動画】DeNA東克樹が今季2度目の完封勝利 首位攻防戦2連勝