新球場でもエースは強かった。オリックス山本由伸投手(24)が8回7安打1失点の好投でリーグトップタイ7勝目を挙げた。「ランナーを出しながらにはなりましたけど、ところどころいいボールと感じる、いい感覚がありましたし。まあまあです」。

初回1死から安打を許すも、丁寧に投げ分けて、浅間、清宮を連続三振。「いつもより丁寧にというか、いろいろと意識しながらの立ち上がりになりました」。前回23日ソフトバンク戦では2回までに4失点を喫した。序盤をきっちり乗り越えると、7回まで連打を許さず無失点。1週間で見事に立て直した。

立ち返る場所があるからぶれない。「僕は基礎というか、基本の練習しかしていないので」。大切にしている練習の1つが、投手の基礎でもある遠投。試合前のグラウンドでは、1球1球、確かめるように大切にキャッチボールを行う。どんどんと距離を伸ばしていき、最後には左翼から右翼にいる相手まで、ボールは失速することなくきれいな軌道で届く。「体が伸びていたりしたら軌道がずれたり、高くなったりする。ボールがシュートしていたらうまく伸びないんです」。基本の大切さを知るからこそ、いつでも自身を見つめることができる。

初のエスコンフィールドでは、打球の勢いが弱まる芝の特性も生かし、ここ2試合使わなかったスライダーや、カットボールを多投。修正力と対応力で、チームメートの山下とともに最多勝。防御率も1・89で2冠となった。「みんなでいい雰囲気でいい関係性でできている。でもいま多分、宮城が一番悔しがっている。それが一番うれしいです」。仲のいい6勝の宮城をいじる“トーク力”もばっちり。エースがチームを4連勝に導き、首位をがっちりキープした。【磯綾乃】

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