中日の高松渡内野手(24)と西武の川越誠司外野手(30)のトレードが成立し、両球団が18日に発表した。中日の加藤球団代表は「強い打球が持ち味の左打者を補強ポイントにしていました。川越選手は心強い仲間になってくれると期待しています。高松選手には持ち味である俊足を新天地で、これまで以上に生かしてほしいと思います」と説明した。

中日は最下位ながら交流戦明けのリーグ戦では20試合を10勝9敗1分けと貯金を1つ作った。前半戦の最後は3カード連続勝ち越しで締めている。

ただ、得点力不足が依然として課題として横たわる川越は今季12試合出場にとどまっているが、2軍戦では38試合出場で打率2割9分2厘、7本塁打、25打点と安定した成績を残している。立浪監督は名古屋市内の中日新聞本社で大島オーナーに前半戦報告を行った後、トレードについて「お互いが欲しいということで決まった。中日は代打陣も手薄。(川越は)速い球にも対応でき、力強いスイングもできる。力のある左打者が欲しかった」と明かした。PL学園の後輩でもある松井監督が指揮する西武とのトレードとなった。

一方の高松は50メートル5秒9の快足が自慢。21年には自己最多の15盗塁をマークした。西武は今季「走魂」のチームスローガンを掲げており、機動力増を目指す方針に合致した戦力として白羽の矢を立れられた。

立浪監督は就任1年目を終えた昨オフから積極的にトレードなど戦力補強を実施。楽天とは涌井と阿部、DeNAとは砂田と京田のトレードを成立させ、6月には日本ハム宇佐見、斎藤と郡司、山本の2対2のトレードをまとめている。

中日高松のコメントは以下の通り。

「中日ドラゴンズに入団させていただき5年半。ずっと応援してくださったファンの皆さま、僕を支えてくださった関係者の皆さま、本当にありがとうございました。中日ドラゴンズで学んだことを大切に、新天地でも頑張ります。これからも応援よろしくお願いします」

◆高松渡(たかまつ・わたる)1999年(平11)7月2日生まれ、兵庫・加古川市出身。小1から浜手ロイヤルズで野球を始め、浜の宮中では軟式野球部、滝川二で硬式に転向し、1年秋からベンチ入り。甲子園出場経験はなし。17年ドラフト3位で中日入団。19年9月29日阪神戦で初出場。通算154試合、打率2割2分8厘、0本塁打、4打点。177センチ、75キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1060万円。

◆川越誠司(かわごえ・せいじ)1993年(平5)6月30日、北海道札幌市生まれ。北海では3年春にセンバツ出場。北海学園大では1年春から4番で、2年秋から投手兼務。15年ドラフト2位で投手として西武入団。投手では1軍登板がなく、19年から野手転向。20年6月23日ソフトバンク戦でプロ初出場。通算173試合、打率2割1分9厘、10本塁打、35打点。174センチ、80キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1400万円。

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