後半戦も頼むで! プロ野球フレッシュオールスターゲーム2023が18日、富山市民球場で行われ、阪神森下翔太外野手(22)が先制のタイムリー二塁打を含む3安打3打点の活躍でMVPを獲得した。

球団では12年の中谷将大以来11年ぶりの快挙。前半戦終盤には負傷離脱した近本の代役として「1番中堅」で存在感をアピール。後半戦初戦の22日ヤクルト戦(神宮)に弾みをつけた。

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虎のドラフト1位が有言実行の100万円を手にした。初回1死一、二塁。カウント1-0から、DeNA小園のファーストストライクを狙った。「積極的にいくだけが取りえなので。その通りにいけたかなと思います」。145キロ直球をとらえ、右中間を割る先制の2点適時二塁打。全ウの4番として、貫禄の打撃を見せた。

その後も安打を重ね、4打数3安打3打点。最優秀選手賞に選ばれ、賞金の100万円を手にした。試合前には「今日は100万しか狙いません。狙うほか、ありません」と語っていた。宣言通りの活躍に「取れると思っていなかったですけど、取る気ではいたので。うれしいです」とほおを緩ませた。賞金の使い道は「とりあえず持っておきます」とこれから考える。

3番に座ったオリックス野口も確信のソロ弾を含む、4打数3安打2打点の大活躍。接戦の末に森下がMVPを獲得したが、お立ち台では「野口さんじゃなくて大丈夫ですか?」と球場の笑いを誘っていた。森下の1学年上にあたり、大学時代はともに日の丸も背負った関係。「その時からパンチ力はすごいなと思っていたので、目の前で見ても刺激をもらった。1軍で戦うにはもっと高いレベルでやっていかないといけないと思うので。勉強になりました」と、刺激になった。

この日は両親も観戦。翌日19日は母ゆりさんの誕生日。「いろいろ迷惑をかけてきたので、野球で。こういう、1個1個結果を残して親孝行できればと思います」。近本の離脱で、虎の1番を担う。最高の親孝行を、後半戦でも見せる。【波部俊之介】

○…森下の両親、母ゆりさんと父善文さんが富山を訪れ、スタンド観戦した。初回の適時打に、ゆりさんは「1打席目に打ってくれると、安心して見ていられます」と笑顔。MVP獲得を喜んだ。門別の母実保さんは、はるばる北海道からわずか1便しかない飛行機で来場。全ウ先発を任された息子の勇姿に「変な感じですね。夢みたいです。本当に遠い存在です」と無失点投球に感無量だった。

▽表彰選手

▽最優秀選手(賞金100万円)阪神森下

▽優秀選手(賞金50万円)楽天平良、オリックス野口