夏バテしません! 阪神佐藤輝明内野手(24)が、8月初戦で豪快弾をかっ飛ばした。

4点リードの7回1死一、二塁。中日田島の131キロを捉えると、ライナー気味の打球がセンターへグングン伸びた。決して高くない弾道で中堅スタンド中段へ運ぶ“驚弾”は、2試合ぶりの今季13号3ラン。リードを7点に広げるダメ押しの1発に「いい流れでつくったチャンスだったので、思い切ってスイングしました。しっかり自分のスイングができたと思います」と胸を張った。

バンテリンドームで通算4本目のアーチ。「広いっすね…」としながらも、言葉とは裏腹な圧倒的飛距離に「よかったです」とうなずいた。これで直近10試合で4本塁打。13本塁打はチーム単独トップ。8月は過去2年、打率2割台前半と鬼門だが、真夏に上昇ムードの雰囲気を漂わせる。失速の2文字は頭の中にない。

この一撃で今季50打点にも到達。新人から3年連続で50打点は、岡田彰布(80~82年)以来、球団2人目だ。「打点は塁にたくさん出てくれると稼げるので、前のバッターのおかげっていうのもあると思う」と感謝。9回には犠飛で、この日4打点だ。キャリアハイは昨季の84打点で「チャンスで打つことが大事だと思うので、頑張ります」と自己最多も見据えた。

打点荒稼ぎへ、追い風も吹いている。前を打つ森下と大山がそろって3安打。自身もマルチ安打を決めており、ドラ1クリーンアップトリオで計8安打と大暴れした。好調な後輩森下のおかげで「どんどん勢いに乗っていける」。さらに「塁に出てくれているので、それをかえすのが役目」と責任感も増した。この相乗効果があれば、夏も乗り切れそうだ。

楽しみにしていた名古屋名物ひつまぶしは「まだ食べてないです。チャンスはあるので、頑張ります」。グラウンド外でも英気を養い、長期ロードを戦い抜く。【中野椋】