阪神伊藤将司投手(27)が、今季2度目の完封で8勝目を手にし、優勝マジックを減らした。自身5連勝。チームはDeNAバウアーと3度目の対戦で初めて黒星をつけた。

サイヤング賞右腕を打ち砕いた。1点リードの4回2死三塁。バウアーの154キロを強振した。野手顔負けの強烈な打球がセンターへ。今季2本目の適時打を決めると、左手を上げてベンチにアピールし、照れくさそうに笑った。

左肩違和感で出遅れたプロ3年目。4月下旬に今季初登板を果たしてからは、1度も先発ローテーションを外れることなく、すでに規定投球回に到達。夏になっても勢いは衰えない。その秘訣(ひけつ)は、実に“庶民的”なものだ。「寝る時の空調には注意ですね」。

昨オフから始めた1人暮らしの自室、遠征先のホテルの一室。部屋の気温は「27度」にこだわる。「それをキープ。温度が低くなりすぎたらバテやすくなる」。体が冷えすぎると、翌日の汗の出方も弱くなるという。適温で上質な睡眠を導き、真夏の投打の活躍につなげている。

7回先頭では、今度は152キロを華麗に流し打ち。左前打でプロ初のマルチ安打を記録し、シーズン5安打はキャリアハイだ。二塁に進みけん制をもらうと、タッチアウトかと思いきや、右足をずらして回避する野球センスも披露。リクエストされてもセーフ判定は変わらなかった。左腕の二刀流の活躍で、貯金は今季最多タイ24。2年ぶりにDeNA戦のシーズン勝ち越しを決めた。【中野椋】

【動画】阪神伊藤将司、今季2度目完封&2安打 慣れ親しんだ横浜でバウアーとの熱戦制しM26