のらりくらりと開幕戦のリベンジを果たした。日本ハム加藤貴之投手(31)が、6回9安打2失点で、チームトップに並ぶ7勝目(8敗)を挙げた。再三ピンチを招きながらも、犠飛で許した2失点のみ。3月30日の新球場開幕戦で敗れた楽天戦で、今季6度目の登板で初めて白星を挙げた。

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加藤貴がピンチを招きながらも、淡々と楽天打線をいなした。2回2死一、二塁では、フランコをスローカーブ、小深田を外角低めのスライダーで、いずれも右飛に。1点を失った3回1死二、三塁のピンチでは、浅村に四球を与えた直後、バランスを崩しマウンドに倒れ込んだが、すぐ立ち上がり続く阿部を低めカットボールで遊撃併殺に仕留めた。転んでもめげないベテラン左腕は「最初に打線が大量点を取ってくれたおかげ」とまず、仲間に感謝した。

因縁の相手から、やっと勝利をつかんだ。3月30日、記念すべき新球場エスコンフィールド開幕戦は、7回8安打3失点で敗れた。以降、同カードは4度登板したが、いずれも白星をつかめなかった。「ずっと負け続けてきたので。そこはチームとして勝てて良かったです」。5カ月前のリベンジを果たした。

もっと投げたい気持ちを、ぐっとこらえた。建山投手コーチには7回のマウンドを志願したが、同コーチは「左肘に張りがあったので断固、拒否しました」。前カードのオリックス戦では上沢、伊藤、上原がそろって完投。自身も最後まで投げて中継ぎ陣を楽にさせたいという思いも強かったが、先を見据え従った。今後は登録を抹消することなく、次回も予定通りに登板する見込みだ。

この日の投球で3年連続規定投球回へ到達。「先発投手として規定にいきたいというのはあった。トレーナー始め、みなさんに感謝したい」。さらにチームトップタイの7勝目を挙げ自己最多8勝にあと1勝に迫った。「そこは特に意識せず、次もいつも通り初回から全力で投げるだけ」。ひたむきに腕を振り続け、次の白星を引き寄せる。【永野高輔】

 

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