アクシデントによるバウアー降板のピンチを、主砲の一振りで救った。DeNA牧秀悟内野手(25)が、2試合連続となる決勝の24号3ランを放ち、首位阪神に連勝。甲子園では5月14日の阪神戦から5試合連続のアーチで、阪神以外の選手では史上初だった。打点を85とし、リーグトップに浮上。首位阪神との差を10・5とし、4位巨人との差を2・5に広げた。

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甲子園に快音が響いた。同点の6回2死一、三塁。牧が右中間にはじき返した弾丸ライナーは、スタンドで大きくはずんだ。「しっかり捉えられましたが、まさか本塁打になるとは思わなかったです」と自身も目を丸くさせる2試合連続の決勝アーチ。一瞬、静寂に包まれたグラウンドで、はずむようにダイヤモンドを1周した。

バウアー降板のピンチを救った。3試合連続中4日で先発したバウアーが、3回で負傷降板。緊急登板の上茶谷が好投する中、バットで応えた。「なかなかマウンドを降りることがない投手ですけど、ああいうふうに代わっても、ピッチャー陣が粘ってくれた」。好機を演出した桑原、佐野の2人をホームにかえし、本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を叫んだ。

球史に名を刻む1発だった。「勢いはありますけど、自分は結構好き」と話した甲子園では、5月14日から5試合連続のアーチ。「ビックリしてます」と振り返った記録は、阪神以外の選手では史上初の快挙だった。25日の中日戦では史上初の新人から3年連続の30二塁打を達成。「ハマの記録男」は新たな記録に「うれしいです」と笑った。

真夏にグンと状態を上げた。15日のヤクルト戦から14試合連続安打で、今月は打率3割6分2厘、7本塁打、26打点と大暴れ。24本塁打はキャリアハイに並び、85打点でリーグトップに浮上した。首位阪神との差を10・5ゲームに縮め、4位巨人との差は2・5に拡大。「残り1カ月、何が起こるかわからないと思うので、最後の最後まで戦い抜きたいなと思います」と決意を込めた。【久保賢吾】

▼牧が前日に続いて決勝本塁打。牧の勝利打点は岡本和(巨人)に並びリーグ最多の今季16度目、肩書付きの殊勲安打は岡本和の29本を抜いてリーグ最多の30本となった。これで牧は甲子園球場で5月14日から5試合連続本塁打。2リーグ制後、阪神選手以外が甲子園球場で5戦連発は初めてだ。甲子園球場で通算66本打った王(巨人)や通算41本の長嶋(巨人)も5戦連発はできなかった。

▽DeNA三浦監督(牧の2試合連続決勝弾に)「4番として、勝負強いバッティングをしてくれた」

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