ロッテ佐々木朗希投手(21)が、クライマックスシリーズ(CS)へ向けて再スタートを切った。

左脇腹肉離れから48日ぶりに実戦復帰。ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(56)が視察する前で、先発で3回45球、2安打2奪三振1失点だった。最速は161キロ。今季パ・リーグ球団相手に初黒星となったが、無事に投げ終えて最初の“リハビリ登板”は順調に終了した。10月14日から始まるポストシーズンまでに、完全体へと再仕上げする道がはっきり開けた。

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驚異的な回復を、超満員のファンの前で証明した。大歓声の中でマウンドに上がった佐々木朗は「シーズン中に帰ってこれて良かった」と実感したという。復帰戦は3回45球で終了。「しっかり球数とイニングと予定通り、ケガなく投げられたので良かった」。約1カ月後の短期決戦を見据え、無事に投げ終えられたことが一番の収穫だった。

左脇腹肉離れから約7週間での電撃復帰登板。リハビリ中は「下手に無理しないように、できることだけ頑張りました。“慣れ”があったので、どうにかうまくできた」。5月に右手中指のマメで戦線離脱した際のノースロー調整経験も生かし、やるべきことを的確にこなして、周囲が驚く超回復につなげた。

球速も1回から160キロ台が5球。この日最速は161キロだったが、球質は「一番いい時に比べたら、それは劣るのは当然だと思う」。その1回に160キロを4番森に捉えられ、決勝の左前適時打を浴びて今季初めてパ・リーグ球団相手に黒星。それでも2回以降は球速を抑え、変化球主体に切り替えながら無失点。球数制限がある中で「今日は今日なりの最低限というか、それなりのボールは投げられた」と納得した。

吉井監督も「順調だと思います」と今季中の復帰すら危ぶまれた故障からカムバックに成功した佐々木朗の現状を評価した。抹消はせず、コンディションを見ながら次回先発登板を設定する予定だ。10月14日から始まるCSも視野に入れながら、佐々木朗も「次に向けて準備したい」。実りの秋へ向けた再仕上げの時間は、たっぷり残っている。【木下大輔】

 

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