巨人が、敵地甲子園で勢いに乗る阪神に屈した。先発の山崎伊織投手(24)が8回3安打8奪三振で1失点と好投したが、打線が阪神西勇に2安打に封じられ、今季11度目の完封負け。2回、3回と無死から走者を出したが、得点を奪うことができなかった。この日の敗戦で、3年連続でリーグ優勝を逃すことが決まった。

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巨人の3年連続V逸が決まった。4年ぶりのリーグ優勝はならなかった。監督通算17年目の原監督の政権下では3年連続のV逸は初となった。

打線が突破口を見いだせなかった。コーナーをていねいに攻める阪神先発の西勇を打ちあぐねた。2回は先頭岡本和が四球、3回は先頭岡田が左前打で出塁した。しかし、ともに無死一塁の場面で、併殺でチャンスをつぶした。6回まで打者18人で片付けられた。7回は1死から門脇が四球で出塁も、続く丸が見逃し三振、岡本和が二ゴロで好機を広げられなかった。好投を続ける山崎伊を援護できなかった。最後まで打線が沈黙。二塁を踏むこともできず、2安打で今季11度目の完封負けを喫した。

先発の山崎伊は気迫の投球を続けた。2回に連打で1死一、三塁とされ、木浪に右翼への犠飛で1点を与えた。先制点を許してからギアが入った。3回から8回までは走者すら許さない。6イニング連続で3者凡退。140キロ台後半の直球を軸にシュート、カットボール、フォークを効果的に織り交ぜた。追加点を許さず、猛虎打線を沈黙させた。8回を3安打1失点で投げきった。

今季2度目の阪神戦の登板だった。前回登板の4月27日は甲子園で悪夢を見た。2回1/3を8安打8失点。軸になる球を作れず、何を投げても打ち返された。「前と同じ展開にならないように頑張りたい。ランナーを背負った時にどれだけギアを上げて、ていねいかつ大胆にしっかり投げられるかだと思う」とリベンジに燃えて、マウンドに立った。打たれた後に修正し、崩れなかった。

4位に甘んじる中で、3位DeNAとは1・5ゲーム差、2位広島とは4・5ゲーム差で阪神戦を迎えた。引き分けを挟み3連勝で敵地甲子園に乗り込んだが、虎の勢いに屈した。【上田悠太】

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