楽天石井一久監督(50)は「難しい相手ではありますけど、きっちりワンチャンスをモノにできた」と振り返った。8月以降は自責0だったオリックス山本を相手に逆転勝利。CS進出へ向けた“勝負の10連戦”初戦は、大きな勢いをもたらしそうな白星となった。

1点を追う3回に打線が難攻不落のノーヒッター右腕を捉えた。2死一、二塁から4番浅村が左前へ同点適時打。2回に山本の連続無安打投球回を12で止めていた主砲は「三振が取れる投手なので追い込まれる前に、いつも以上に積極的に。甘い球を1発で仕留めることだけは意識して」とカーブを仕留めた。

5番岡島も続いた。浅村が捉えたカーブが初球に来たが、「手が出なくて…」と見送ったが、受け身にはならない。「アサ(浅村)が点を入れてくれたんで、いい意味で割り切りながら思い切っていこう」と2球目のフォークを仕留めて決勝の中前適時打。試合前に指揮官が「難しいピッチャーなんで、1対1の勝負の中で、どういう割り切り方ができるか」と話していたように、中軸が割り切って仕事を果たした。

決勝打の岡島は「めちゃくちゃデカい」と表現し、主将の浅村も「明日から、いい勢いで入っていけると思うので今日の勝ちは大きい」と呼応。もちろん石井監督も「やっぱり難しいピッチャーなんで、そこをしっかりと勝てたっていうのは大きい」と声をそろえた。17日の相手先発も難敵の宮城だが、山本攻略で得た勢いで突破する。【木下大輔】

▽楽天岸(6回1失点の好投で7勝目)「(山本)由伸相手で先取点を取られないようにと思って投げていましたけど、取られてしまった後、粘り強く投げられて、野手のみんなが点を取ってくれたので、みんなで勝った試合だと思います」

▽楽天小深田(オリックス山本から3安打)「追い込まれたら難しいので、なるべく早いカウントから勝負できるよう準備していた」

【動画】楽天浅村栄斗が難攻不落を攻略、1カ月ぶり失点の山本由伸は「フウ」と大きく一息