阪神青柳晃洋投手(29)の3年連続2桁勝利の可能性が消滅した。

自身7連勝中と得意の巨人打線が相手だったが、両軍無得点の6回2死一、二塁から丸に左前適時打を許し先制点を献上。なおも満塁から代打大城卓に右翼ポール際へのグランドスラムを被弾した。マウンド上で苦笑いした右腕は「入るとは思わなかった。本当にいいバッターです」と悔やんだ。6回途中5失点で今季5敗目。自身の連勝も5で止まった。

中盤まではチーム屈指の雨男“雨柳さん”のペースだった。2~3回は霧雨と強風が吹き荒れる中でのマウンドだったが、いずれも3者凡退。「そのタイミングで抑えていたので、何とも言えないですけど…」。その後雨がやんで、6回の1発に泣いた。甲子園で巨人の日本人選手に満塁本塁打を打たれたのは、91年4月10日に篠塚利夫(後に和典)に渡辺伸彦が許して以来、32年ぶりとなった。

9勝目を挙げ2桁に王手をかけたいところだった。岡田監督は「最初は良かったと思うよ」と評価しつつ、「勝ち投手にならなアカンかったからのお。1点、2点ぐらいやったらなんとかなりそうな感じやったけどな」と渋い表情。次回については「いやいや、もういい、もういい、もうええわ。投げさせるピッチャーはおるからな」と22日にも出場選手登録が抹消される見込みとなった。

シーズン最後の登板は悔しい形で終わった。10月18日からのCSファイナルSに気持ちを切り替えるしかない。【古財稜明】

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